

てん菜はビートとも呼ばれ、砂糖の原料となる作物です。根はカブに、葉はほうれん草によく似ており、アカザ科に属しています。
てん菜の歴史は紀元前300年以前の書物にも記述が見られますが、本格的に砂糖の生産が始まったのは18世紀のヨーロッパにおいて、19世紀にはナポレオンが生産を奨励し、ヨーロッパで広く作付されるようになりました。現在ではヨーロッパをはじめ、アジア、北アメリカなどで作付されています。
日本では、19世紀後半に明治政府がてん菜種子を輸入し日本各地で栽培が始まりました。本格的に栽培されるようになったのは、大正時代以降で、耐冷性作物という特性から現在では北海道のみで栽培され、十勝・網走地方を中心に全道で約6万ha(平成23年度実績)作付されています。
種まきは、まだ畑に雪が残っている3月上旬頃から行い、ハウス内で育苗します。5cm程度まで育った苗を4月下旬頃から5月上旬にかけて畑に植えます。6月下旬には葉が畑を覆い隠すまでに育ちます。この頃に畑作地帯を車で走ると、大きな畑の一面に、ほうれん草のように見えるのが「てん菜」です。糖分は根の部分に蓄積されますが、秋の寒暖差が大きいほど糖分が高くなります。収穫がはじまる10月頃には直径15cm程度、重さは約800g〜1kg、てん菜1個当り150g程度の砂糖が蓄積されます。
収穫されたてん菜は、ホクレンの中斜里・清水製糖工場を含む全道の8工場に運ばれ約56万t(平成23年産実績)の砂糖が生産されています(日本国内産砂糖の8割)。また、砂糖を搾った後の残渣はビートパルプとして家畜用飼料としても利用されています。