過去の受賞者
■ 第11回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 研究普及部門


優秀賞

北海道岩見沢農業高等学校  殿

 明治40年設立の「空知農学校」を前身として、昭和25年に改称された「北海道岩見沢農業高等学校」は、道内で最も歴史ある農業高校です。現在、7つの学科があり、その中の農業土木工学科では、環境やエネルギーを視野に入れた農村づくりの学習テーマとして「利雪」に取り組んでいます。平成12年から開始したプロジェクトでは、まず冬の雪山を夏まで保存する技術として、籾殻とブルーシートで雪が溶けないように断熱する独自の方法を編み出しました。雪による冷熱エネルギーを利用し、夏場の鶏舎、花き・しいたけのハウス栽培への活用を研究。一方では、雪解け水の研究も進め、超軟水で浸透圧の高い雪解け水は、製麺、製パンなど食品加工に応用できる可能性を見つけました。
 さらに、花き栽培は生活科学科、しいたけ栽培は森林科学科、雪解け水は食品科学科というように7つの学科が連携しあい、より実践的技術を地域農業に発信していくことが岩見沢農高の目標です。農業土木工学科2年の佐藤一樹くんは「卒業後も雪の研究ができる仕事につき、農家の役に立ちたい」と話します。「これからの農業高校は、後継者育成はもちろんですが、農業関連で働く人材を育てる、農業の理解者を育てるという役割も担っていくと思います」と中村校長先生。地域農業をまっすぐ見つめる高校生たちのプロジェクトは、各方面から大きな期待が寄せられています。