過去の受賞者
■ 第11回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 農業応援部門


大 賞

札幌市立八軒西小学校  殿

 札幌市西区の公務員宿舎のまん中に建つ「札幌市立八軒西小学校」では、平成13年から生徒たちが野菜作りに汗を流しています。5年生が総合的な学習「食とわたし」に取り組み、給食の残量に目を向けたことがきっかけでした。苦手な野菜を克服するには「自分の手で野菜を作ってみたらどうだろう」と発案。学校の近くに農地を借り、嫌いな野菜の苗をお小遣いで買い、育て方をインターネットで調べるなど、試行錯誤しながらの挑戦です。「うまく育たなかった野菜もありますが、試食会はとても盛り上がりました。農地を貸してくれた方、園芸店や農業センターの方、近所のみなさん、多くの方が生徒たちを支えてくれたおかげです」と、最初の5年生を担当した狩野悦子先生は振り返ります。
 6年生の修学旅行は旭川の農場です。生産者・古屋勝さんの協力のもと、野菜の収穫体験、稲わらぞうり作りなどを体験。食の大切さ、農業の大変さを実感した生徒たちは、壁新聞や紙芝居などで、他の学年に給食の残食を減らすよう呼びかけるようになるそうです。この取り組みは4年目を迎えますが、農地の少ない都会では畑の確保が毎年の課題です。「ものを育てるという体験は、子どもたちの心を大きく育てます。なんとか継続できる方法を教師全員で考えています」と小林校長先生。都会の学校に芽生えた農業への思いは、これからの北海道農業をおおいに元気にしてくれるでしょう。