過去の受賞者

■ 第13回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 農業者部門


大 賞

当麻町花き生産組合菊部会(当麻町)

 米産地として名高い当麻町の農業は、早くから水稲を中心に花き、野菜を主とする複合生産に力を入れてきました。昭和40年代に減反政策による水稲の生産調整を受け、複合経営の一環として菊栽培を振興してきたのが「当麻町花き生産組合菊部会」です。設立は昭和36年、現在70戸で構成され、「日本最北端の菊産地」として長年高く評価されています。平成7年には、栽培が難しいとされる新品種「岩の白扇」導入を決断し、数々の研修や情報収集により、今では部会の主力商品となっています。また、平成17年には、冬が長い道内では難しいとされる二期作に部会員9戸が取り組み、努力の末に実現しています。
 大きな転機となったのは同じく平成17年、輪菊では全国でも数少ない「輪菊共撰共販システム」の導入にあります。当時、生産者の高齢化が進んで作付面積は減少する傾向にあり、さらにそれまでの生産体制では収穫や撰別、水揚げ、荷造りは早朝や深夜の労働になり、生産の拡大は見込めないと考えられていました。また、部会全体の品質を統一し、より信頼される生産地を目指すためにも導入に踏み切ることになりました。撰花機6台と大型鮮度保持予冷庫を活用した共撰システムの導入後は、市場の評価が向上しただけでなく、大幅に労働が軽減されたことで部会員の生産意欲が向上し、新たに生産に乗り出す生産者も増えたことから作付面積も増加しました。
 農業のまち・当麻町において、菊栽培の育苗から出荷・販売まで一環した生産システムを確立したことは、花き以外の生産者に与える影響も大きいといえるでしょう。また、全国的に数少ない輪菊の共撰システムとして道外の菊産地からも注目を集め、視察の要望も多数寄せられています。「一番の課題は、後継者を育てること。技術力による人づくり、そしてJAや行政と一体となった組織づくりで、さらなる大型産地化を目指します」と桑原敏部会長。全道的な複合経営の模範的存在として、力強いリーダーシップが期待されています。