過去の受賞者
■ 第13回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 農業応援部門


大 賞

有限会社 別海町酪農研修牧場(別海町)

 人口の約6倍の乳牛が飼われており、酪農を基幹産業とする別海町。ここでも経営不振や高齢化による後継者不足は深刻な問題であり、新規就農者の積極的な受け入れが必要でした。しかし、酪農は土づくり、草づくりにはじまり、仔牛の育成から種付け、出産、搾乳や経営能力まで幅広い知識と技術が求められる仕事です。就農希望者にそれらを総合的に指導し、速やかに就農に導く支援体制の整備は急務でした。「別海町酪農研修牧場」は、後継者問題の解決のため別海町と町内外5農協が出資して平成8年に開設し、これまで33戸の新規就農を実現しました。
 研修生の募集は、東京・大阪などで開催される就農希望者対象のイベント等で行われています。夫婦での受け入れも可能で、期間は3年間。臨時職員として給与が支給され、宿舎や社会保障も充実しています。研修内容は乳牛や農場の管理作業と経営手法が中心ですが、特に衛生面では厳格な生産基準を設定し実践しています。その取り組みは、平成16年の品質管理の国際基準ISO9001の取得にもつながりました。研修生は消費者であった経験から牛乳の品質への意識がとても高く、就農後の乳質もトップクラスと言われています。
 また、この研修牧場では、新規就農希望者の教育に加えて、地元生産者の子弟を中心とする酪農後継者の宿泊研修や、別海町内の中学生を対象とする体験研修、酪農ヘルパー養成などにも積極的で、担い手育成の可能性は大きくひろがっています。特に、酪農ヘルパーの養成については、ヘルパー組織と連携した募集と教育を行っており、別海町内で酪農ヘルパーとして就職した後、新規就農を目指す若者も増えつつあります。「酪農に夢を抱いている若者は、まだまだいると思います。そのような若者のためにも、教育面だけでなく家族や生活全てをサポートしていきます」と谷野利一牧場長。酪農のまちに新しい家族がふえ、地域の大きな力に育つことが期待されています。