過去の受賞者

■ 第14回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 農業者部門


大 賞

ニセコ米生産組合蔵人衆(ニセコ町)

 新たなニセコブランドの確立をめざし、高品質な酒米づくりに取り組んでいるのが「ニセコ米生産組合蔵人衆」。粒が大きいニセコ産の酒米は、酒造メーカーからも高く評価されています。また、町内の観光・商工関係者、酒造メーカーと連携して「大吟醸ニセコ蔵人衆」を結成し、酒米生産から、酒造、販売までを、地域ぐるみで取り組んでいます。
 ニセコ町の酒米づくりは、1999年から。小樽の酒造メーカー、田中酒造から勧められたのがきっかけでした。地元の水と米を使った酒造りをめざし、良質な酒米を探し求める酒造メーカーと、北海道の米どころというブランドをめざす米生産者。二つの夢が出会い、新たな挑戦がはじまりました。
 しかし、栽培を開始した当初は、ニセコの土壌条件に適した酒米がなく、生産は伸び悩むばかり。品質より所得という声も聞こえてきましたが、収穫量が望めなくても、化学肥料を抑えることによる低タンパクの酒米生産、さらに低農薬栽培による安全・安心といったハードルを下げることなく、高品質な酒米づくりを続けてきました。
 ようやく軌道に乗ったのが、2004年。より耐冷性のある新品種「空育酒170号(現・彗星)」の導入で、収穫量が増加しはじめます。それを機に、「ニセコ米生産組合蔵人衆」が設立。同年、商工・観光関係者、酒造メーカーと連携した「大吟醸ニセコ蔵人衆」も立ち上がり、ニセコの酒米を使った地酒づくりもスタートしました。
 当初40アールだった作付面積も、2007年には1,033アールにまで拡大。「大吟醸ニセコ蔵人衆」によって開発された、ニセコ産酒米100%の清酒「蔵人衆」も、町内の商店や飲食店、ホテルなどで販売され、地元の名産品として定着しつつあります。
 昨年2007年には、ニセコ産酒米を使った田中酒造の大吟醸原酒「宝川」が、全国新酒鑑評会で金賞を受賞。ニセコ産酒米100%の酒が、全国で評価されたことは、ニセコ町だけでなく、北海道の酒米の知名度を高めました。そして、このたびの大賞受賞。「受賞そのものが夢のよう。これからが勝負」と語る猪狩部会長ですが、この快挙につぐ快挙は、道内の酒米農家にとっても、大きな励み。全道の酒米づくりにとっても、大きな転機となることが期待されます。