農業応援部門

	大　賞

ホテルクラビーサッポロ料理長の貫田桂一さんは､10年程前から道内の農産物の生産地を訪ねて歩いている。きっかけは道産小麦との出会い。おいしい素材が身近にあることに気づき､そのおいしさを自分の目で確かめてみようと生産地に足を向けるようになる。土にふれ､野菜をかじり､生産者と話を重ねていくうちに､貫田さんは農業と食が深くつながっていることを実感。農業者と消費者の間を自分の“料理”で橋渡ししたいと､北海道新聞に月1回「味わい北の旬」シリーズの連載をスタートする。貫田さんが訪れた生産地の人､農作物､そしてその素材を使った料理のレシピを紹介するシリーズで､生産地への問い合わせなどの反響はもちろん､農業者から､自分のやってきたことに自信や誇りを持てるようになったと言われるのがいちばんの成果。あくまでも料理人としての立場にこだわりながら､これからもできる限り農業者を応援していきたいという貫田さん。自分の料理にたいするきびしい目と､北海道農業を見つめるやさしいまなざしが皿のむこうにある。