過去の受賞者

■ 第9回 ホクレン夢大賞 受賞者経歴及び活動内容

 農業者部門


大 賞

片岡 弘正 殿

 道産小麦「ハルユタカ」は、パン適性に優れた品種で、プロのパン屋さんはもちろん一般消費者からもニーズが高い小麦です。しかし、収量・品質が不安定なため、なかなか作付けが増えず「幻のハルユタカ」と言われつつあるのが現状です。「ハルユタカ」の安定生産のためにさまざまな栽培方法に取組み、そして、いち早く"初冬まき"に挑戦したのが片岡弘正さんです。「初冬まきで失敗しても春にまき直せばいい。新しいことに抵抗がないんですよ」と言う片岡さん。1992年、初めての試みで過去最高の収量・品質を達成。その後、中央農業試験場や農業改良普及センターと協力しながら、江別型の初冬まき栽培技術を確立していきました。
 初冬まきは、雪が降る直前に種をまく栽培法で、雪の下で発芽させ、雪がとけると同時にすぐに生育を開始させます。そのため、粒が大きく成熟して収量が増えるということで、江別市では急速に初冬まき栽培の面積が増加しています。片岡さんは、その栽培技術をすべてオープンにし、初冬まき栽培の普及に努めています。「消費者が欲しいと思うものを作れることは農家にとって大きな喜びです。ハルユタカが幻にならないように、初冬まき栽培が多くの地域に広まってほしい」。雪の下で春を待つ「ハルユタカ」が、多くの人の手に届く日が待たれます。