北海道のワインやお酒とあわせたい!
北海道チーズたち。

白い滴のマリアージュ

今回のテーマ

北海道のワインやお酒とあわせたい!
北海道チーズたち。

同じ「ナチュラルチーズ」といっても、ヨーロッパのものと北海道のナチュラルチーズでは、味わいが全く異なります。
近年北海道では、単にヨーロッパのチーズの真似事ではなく、北海道らしさ、地域風土を表現したチーズがつくられるようになりました。ヨーロッパのチーズは、食べた瞬間のインパクト「先味(さきあじ)」が強いものが多いですが、日本のチーズは、口に入れた瞬間には優しい淡い味ですが、後からじわりと旨みが広がり、長続きする、和食でいう「後味(あとあじ)」の表現のチーズが多いように感じます。まるで「だし」のようだと感じます。
そのため、その後味のよさを、北海道のお酒たちとあわせてみると面白いです。

道産ワインと北海道チーズ
赤ワインとブルーチーズなどの固定したイメージがありますが、北海道の後味がよいチーズには、白ワインの方が意外とあいます。
爽やかなブルーチーズに北海道らしいケルナーの辛口白ワイン。
近年道内でも増えているスパークリングワインやシードルなどと、酵母熟成のマルセランタイプなどとあわせてみてはどうでしょうか。

道産日本酒と北海道チーズ
味噌漬けチーズはいわずもがな相性がよいですが、様々なタイプの日本酒とチーズにおいては、「米の甘みある日本酒に、乳の甘み感じるチーズ(例:チーズ工房チカプの「シマエナガ」など)」、「キレある日本酒には、キレあるチーズを(米村牧場チーズ工房プラッツの「プラッツ12か月」など)」、「押し味(余韻が長く残る)日本酒には後味よいチーズを(ニセコチーズ工房のブルーチーズ「空」など)」、「古酒などコクある日本酒には、熟成長くコクあるチーズを(川瀬チーズ工房の「TOMINO」のような長期熟成ハードチーズ)」とあわせてみるとよいと思います。

北海道クラフトビールと北海道チーズ

日本全土でクラフトビールを飲めるところも増え、また醸造所も増えました。そして北海道でもおいしいクラフトビールが多くつくられています。
大麦を使ったヴァイツェンには、ミルク感の強い熟成の若いセミハードやフレッシュタイプのチーズ。ナッティーでモルト風味が強いブラウンエールには、草の香りがしっかりとした長期熟成のハードタイプを。心地よい苦みが特徴のインディアンペールエールには、口当たりのよい爽やかさ、クリーミーで脂肪分の高いチーズをつまみにすると、ビールの味わいがさらに増します。

まとめ
フランスのノルマンディー地方では、そこの名産のカマンベールと、これまた名産のリンゴで作ったシードルが一緒に楽しまれています。
日本酒も、ワインも、チーズと同じように「農業」です。
『水があう』ということわざがあるように、北海道の大地で育てられた米、ぶどうでつくられた飲み物と、北海道の大地で育った草を食べて育った牛の乳からつくるチーズ。あわない理由がありません。
両者の組み合わせを、固定概念や定説にとらわれず、いろいろと楽しんでみてくださいね。