気付けば、世界品質。

森崎 博之のGREENエッセイ

気付けば、世界品質。

気付けば、世界品質。 気付けば、世界品質。

昔々のおはなし。女性と鉄板焼きに行き、メインで牛肉を選ぶ瞬間がありました。
通常のお肉だと値段はそのままですが、松阪牛や神戸牛を選ぶと数万円がプラスされるというのです。
すでに逼迫状態のマイ財布。
女性は「通常でいいよ」と言ってくれたのですが、
申し訳ない気持ちで「そのままで…」とオーダーしました。そのお肉が北海道産でした。
歯応えと甘味が駆け抜ける旨さがありましたが、なんとも情けなさが残る食後の余韻でした。
あれから20年以上経ち、北海道産和牛は凄まじい躍進を遂げ、今やアメリカや台湾やシンガポール、
そして世界の美食家が集うドバイのホテルで最高級品の肉たちと肩を並べるほどだそうです。
昔の私はベストチョイスだったのですね。
胸を張り、堂々と「そのままで!」と誇り高く注文しろと若き自分に言ってやりたいです。