Vol.7
赤玉ねぎ
北海道の星みっつ旬食材
道内各地の生産者と太いつながりを持ち、北海道の農を熟知する塚田宏幸シェフが、今こそ味わいたい、おいしさ星三つクラスの食材を毎回ピックアップ。調理のヒントを中心に、生産者や食材にまつわるエピソードなどもお伝えします。
vol.7
赤 玉 ね ぎ

赤 玉 ね ぎ

食卓をパッと明るくする、赤玉ねぎ。あの鮮やかな赤紫色は、ポリフェノールの一種・アントシアニンが生み出しています。色合いを生かしたい、辛みをやわらげたいなど、好みに合わせた味わい方のヒントをお届けします。

縦に切るか、
横に切るか

赤玉ねぎは、紫がかった赤と白のコントラストが美しく、私も好きな食材です。みずみずしい食感、控えめな辛み、口に含んだ時に感じる繊細さも、魅力です。

 

こうした持ち味を楽しむなら、サラダやピクルスなど生で味わうのが一番。ご家庭で作る時の豆知識として、今回は切り方ひとつで見え方はもちろん、食感も辛み具合も変わるというお話から始めましょう。

 

赤玉ねぎをまな板に置いて、縦に切るか、横に切るか。これは、繊維に沿って切るか、繊維を断つように切るかとも言えます。繊維に沿って縦に切ると、形が崩れにくく、食感が保たれます。逆に、繊維を断つように横に切ると、細胞が壊れるため、食感が柔らかくなります。

 

辛みがお好きな方は縦に切って、山わさびと同じ感覚で、酢で〆た生魚や刺身に合わせてみてください。マリネにしてもいいです。辛みを控えめにしたい時は、赤玉ねぎを横に切ってバットなどに平らに広げ、常温で1時間、その後ラップをかけて冷蔵庫で一晩寝かせます。辛みは、ほのかに感じるくらいまで抜けます。ただ、赤玉ねぎはしんなりした状態になりますので、パリッとさせたい時は水に5分ほどさらします。サラダに使う際は、いつもと違う切り方でおいしさを比べてみるのもおもしろいと思います。

次にピクルスですが、おいしく作るコツは多種類の食材を使うこと。赤玉ねぎは、漬けている間に赤い色がピクルス液にしみだし、他の食材も色づけますので、赤ピーマン、にんじん、ミニトマトなど、同系色のものを選ぶと良いでしょう。

 

お店では、赤玉ねぎの鱗片(りんぺん)をはがしてフルーツビネガーや香辛料入りの酢に漬け込み、そこにソースなどを注いで提供することがあります。小さな器に見立てた使い方です。手近にあるツナとマヨネーズを和えたものでも、こうして食卓に出すと小粋な雰囲気になりますし、さまざまなものをのせたり、詰めたりすれば、ピンチョスが出来上がります。こちらもおすすめです。

 

さらりと食べやすく、色が目も楽しませてくれる赤玉ねぎ。全体にハリがあり、根がしまっているものを選び、ネットに入れて冷暗所に保管するといいでしょう。ちなみに私は、自宅では、スライスして鰹節で和えるというシンプルな食べ方が一番多いです。

 

【赤玉ねぎイベント告知】
「くるるの杜」で、赤玉ねぎの対面販売(JAきたみらい)を実施します。
*2019年11月9日(土) 10:00~14:00
生産者のみなさんが、心を込めて作った赤玉ねぎを直接販売!
塚田シェフが魅力を語った赤玉ねぎ。
是非、この機会にお試しください。 ご来場をお待ちしています。