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![]() 水田農業の未来を拓くため、「米づくりのあるべき姿」の実現に向けて米政策改革大綱が制定された。また、本年4月より、安定生産・流通の確保に必要な各種対策を措置した改正食糧法が施行され、米政策改革が本格的にスタートした。地域が策定した地域水田農業ビジョンを基に、売れる米の生産目標面積配分、所得安定対策、集荷円滑化対策等が進められることになる。そうした諸制度の概要、これらに対する北海道水田農業推進協議会を中心とした今後の取り組み方向を本号に紹介した。 |
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1.米政策改革関係 米については、需要の減少、生産調整の限界、担い手の高齢化等、多くの課題を抱えている。また、米の過剰基調が継続し、これが在庫の増高、米価の低下等を引き起こし、その結果担い手を中心として水田農業経営が困難な状況となっている。 このような状況のなかで、水田農業の未来を拓くために、米政策の総合的な見直しが検討され、平成14年12月に「米政策基本大綱」が取りまとめられた。 (1)米政策改革大綱の概要 米政策改革大綱の目的は、平成22年までに「米づくりの本来あるべき姿」を実現することである。これは、消費者重視・市場重視の考え方に立って、需要に即応した米づくりを推進していくもので、そのために、生産構造、需給調整システム、集荷・流通制度等の関連施策の改革が総合的に実施されることとなる。 本改革の全体像は下のとおりである。
(2)改正食糧法の施行 平成16年4月1日より、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律等の一部を改正する法律」が施行された。 この改正食糧法は、米政策改革大綱を踏まえ、米の生産・流通関係者の主体性を重視しつつも、安定的な生産・流通を確保する観点から、生産調整の推進、適正な流通の確保等に必要な各種の措置を講ずるという趣旨である(表1)。 改正食糧法の施行とともに、米政策関連施策の要綱・要領が施行され、本格的な米政策改革の実行がスタートした。 2.新たな米流通システム (1)「売れる米づくり」に向けた取り組み 平成16年より具現化される「米政策改革」では、産地の「売れる米づくり」に向けた取り組みへの対策として以下の内容が示されている(図1参照)。 ア.従来の生産調整に対する助成措置である「水田農業経営確立対策」に変わり「産地づくり推進交付金」を市町村段階に交付し、地域が策定した「地域水田農業ビジョン」に基づき、「担い手の育成」を中心に各種対策に取り組む。 イ.生産調整面積の配分(ネガ)ではなく、「売れる米」に対する生産目標面積を配分(ポジ)する仕組に移行する。 ウ.所得安定対策(セーフティネット)として「稲作所得基盤対策」「担い手経営安定対策」を実施する。 エ.「集荷円滑化対策」を実施し、豊作時の過剰米を主食用以外に処理することにより、需給の安定化を図る。 |
(2)流通改革の内容 流通の改革は、食糧法の改正等も含め、下記のような内容である(表2、図3)。 ア.流通、価格形成に関する規制を必要最小限とし、多様化する消費者ニーズに応えるため「計画流通制度」及びその関連制度を廃止する。 イ.消費者に対する年間安定供給を確保するため,「米殻安定供給確保支援機構」を設立する。 ウ.これまで国が策定してきた「米に関する基本計画」を廃止し、需要に応じた米づくりを行えるよう、新たな需給情報として「米に関する基本指針」(いわゆる「お米白書」)を年3回策定、公表する。 エ.米の義務検査は廃止となるが,受検機会の拡大や検査証明の信頼性向上、トレーサビリティシステム確立に努める。 オ.国の備蓄運営制度は維持するが、政府米の買入、売渡しの方法を見直す。 カ.不測時に備えて、米全体を対象とした危機管理体制を構築する。 3.新たな米流通制度と北海道の対応について (1)北海道水田農業推進協議会の役割 北海道においては、平成16年3月25日に、米政策改革に係る各種対策の事業実施主体となりうる規約・規程を備えた北海道水田農業推進協議会(会員は道、中央会、ホクレン、北集)を設立した。 16年度は、産地づくり対策に係る計画取りまとめや交付金受払い並びに稲作所得基盤確保対策・担い手経営安定対策の加入契約取りまとめや生産者拠出金の管理などを実施する計画である。 (2)生産販売計画等の策定 平成20年までに農業者・農業団体が主体的に需要に応じた生産を行なうこととなる。そのために、全道的には平成16年産米から図3のように新たな生産調整システムに取り組むこととしている。 また、新たな生産調整システムづくりにとって非常に重要な「地域水田農業ビジョン」の策定が、各市町村・JAで策定されており、その実践に向けた取り組みが進められている。 (3)新たな流通制度への対応 1.流通規制緩和、米の消費減少により、米流通は今まで 以上に各段階で激しい『競争』が行われることが想定される。国の米政策でもわかるように、今後はより消費者、実需者に軸足を置いた対応が求められ、今後、米の生産販売を行なっていく上で以下の事項が必要最小限の条件となる。 ○安心、安全が確保されていること ○安定供給が確保されていること ○食糧(食品)として「おいしい」こと 2.北海道においては、これまで産地指定などを基本に需要者と取組んできた経過があり、流通規制が緩和されても、今まで以上に求められるものを確実に生産、出荷し、実需者との信頼関係などパイプを太くしていくことが重要である。これらを実現するためにJAグループの資金拠出による用途別の品種開発及び栽培技術の開発普及、用途別の需要に見合った生産と確実な出荷体制整備、産地指定の拡大などに取り組んでいる。 |
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