北海道で生産される原料を用いて、北海道産の畜産物を育て、消費者に喜んでもらう。それこそがホクレンの大きな役割であるという志のもと、集荷、製品開発、販売に携わる部門が連携。「付加価値販売プロジェクト」を発足し、飼料から北海道産生産物を使った「畑から始まる北海道産にこだわった豚肉」の生産、販売に励んでいます。2016年に本格的に販売を開始した「とうきび豚」は、北海道産生産物を98%も配合した飼料「道産98ポーク」で肥育されたSPF豚です。「道産98ポーク」は、日本の飼料原料のほとんどを海外に頼っている現状から脱しようと栽培を始めた子実とうもろこしを中心に、きな粉、麦、玄米などを配合。改良を重ね98%まで北海道産原料を用いたという点で、日本初の養豚用配合飼料です。
そのような「北海道産素材の安心感」という付加価値を持つ「とうきび豚」ですが、試食会では「肉質がやわらかい」「脂身の臭みがない」といった食味の良評価も得られています。現在は北海道内の「Aコープ」や「コープさっぽろ」などで販売しており、今後はさらなる販路拡大に向けて、グルメイベントやラジオ番組なども利用し広くPRしていく予定です。これからも、生産者の所得向上や消費者への安全・安心な商品販売、食料自給率向上に貢献できる付加価値の高い食肉の製品化に向けて取り組んでいきます。
「北海道こめ油」に次ぐ米関連の商品開発や販売拡大を進めています。2017年は、日本食品製造合資会社と共同開発した「ゆめぴりかの乾燥玄米入りグラノーラ」を発売。独自の製法で加工したゆめぴりかの乾燥玄米が入っており、しっかりとした歯ごたえと深みのある味わいが特徴です。北海道内のホクレンパールライス取り扱い店舗での販売はもちろん、全国の量販店でも催事などで取り扱いがされており、販売規模は拡大しています。
水が貴重な資源となるシンガポールに向けて、水と節水効果の高い無洗米のセット販売への取り組みが実を結んでいます。商品は、無洗米のゆめぴりかやななつぼしなどのほか、レストラン向けにも業務用無洗米が導入されています。そして米の輸出に合わせて用意したホクレンブランドの「北海道大雪山の水」です。「NTUC Fair Price Finest」全21店舗などで定番品として扱っています。また、米と水を組み合わせて輸出することは、一定量の積み荷がまとまることから、コンテナの積載率の低さも改善されました。今後も、現地の駐在員と共にさらなる販路や商品の拡大を目指します。
安全・安心な日本の食材への需要が高まっている東南アジア諸国の飲食店に、交雑種(「Hokkaido BEEF」)とホルスタイン種の牛肉を輸出しています。2012年からシンガポール、2013年からタイ、2015年からベトナムへ、そして香港へは豚肉も輸出。牛肉と豚肉を合わせた2016年の輸出実績は約41t。また北海道産牛肉をさらに活用してもらうため、牛肉の正しい切り方を英語で説明した「カッティングガイドブック」を制作。2016年にはDVDも用意しました。ガイドブックでは伝えきれない細かな部分を映像で見てもらうことで、より北海道産牛肉に親しんでもらいたい考えです。
2016年に新発売した冷凍食品「北海道産塩味枝豆(茶豆風味)」は、使用品種を選定するうえで、試験栽培の段階からJAに協力いただき、『栽培適正』『収量性』『食味』の観点から優れた品種を選定し、商品化したものです。収穫から加工までの時間をできるだけ短くするなど、採れたての味を損なわないための工夫もしており、販売先の生活協同組合やバイヤーから、「風味が濃厚」といった高い評価をいただいています。
北海道産白小豆と福白金時の需要増を狙い、全国和菓子協会、北海道庁、JA北海道中央会が連携。和菓子メーカーによる新商品の開発や商品化を推進しています。2017年2月には新商品のプレゼンテーションと試食会の場を用意。その3カ月後には静岡県の「いせや本店」が、そこでお披露目した「TABERU COFFEE・珈琲最中」の販売を開始しました。
生産技術やおいしさを競う品評会「ゆめぴりかコンテスト」で、2016年の最高金賞米に輝いた「日胆地区 JAびらとり」の「ゆめぴりか」を、北海道内のみならず、北海道外32の米穀店や「北海道どさんこプラザ有楽町店」で販売しました。最高金賞米の北海道外への流通は初めてです。
北海道産飼料米を与えて肥育した霜降り豚肉の「う米豚」や北海道産小麦を与えた「旨み麦豚」など、ホクレンではJAや生産者と協力し、食味にこだわった付加価値の高いブランド豚肉の開発をしています。これらはホクレン食と農のふれあいファーム「くるるの杜」や「コープさっぽろ」で販売し、ワンランク上の豚肉として認知度、人気を伸ばしています。
CA貯蔵で長期熟成させた「よくねたいも」、生でも甘みのあるサラダ用玉ねぎ「真白」、冬至の時期にほくほくおいしい「りょうおもい」。技術や食味、時季などに特徴を持たせたオリジナルブランド野菜は、生産者、消費者、農業試験・研究センターと志を同じくし、一体となって作り上げています。今後もホクレンにしかできない商品開発に努めていきます。