AgriOlé Hokkaido 北海道農業応援サイト

ホクレン

北海道の酒造
好適米について

米どころにふさわしいお酒を目指し、 誕生した日本酒専用品種。

米どころにふさわしいお酒を目指し、誕生した日本酒専用品種。

日本でもトップクラスの米の作付面積と、収穫量を誇る北海道。『ななつぼし』『ふっくりんこ』『ゆめぴりか』など北海道を代表するブランド米が次々と誕生し、全国各地に「北海道米はおいしい」というイメージが広がっています。
稲作に不向きといわれてきた北海道で、おいしい米ができるようになると、“酒造好適米(酒米)も”という声が高まります。独自の研究を重ね、待望の酒造好適米がデビューしたのが20年ほど前。栽培を重ねるごとに品質も向上し、今では北海道酒造組合に加盟する日本酒を製造する酒蔵すべてで、北海道産が使われています。酒造好適米は主食用の米と異なり、醸造工程で扱いやすいこと、味や香りのよい酒ができることなどが求められます。その生産量は、国内の米の生産量の1%ほど。北海道産ともなると0.02%程度しかない貴重なお米です。
※上記%:農林水産省 平成30年産「水稲収穫量」、「酒造好適米の農産物検査結果(生産量)」より
 
◎北海道産の酒造好適米品種
 
吟風(ぎんぷう)
酒造りに重要な「心白(しんぱく)」が大きくはっきりした、心白発現率の高い品種。芳醇なお酒が期待できます。北海道産米を原料とした酒造りが広がるきっかけとなった品種です。
 
彗星(すいせい)
良質な酒造好適米であることを示す、タンパク含有量の低さが特徴。淡麗な味わいのお酒が期待できます。千粒重(※)が重く大粒、収量性が高い品種です。
 
きたしずく
心白発現がよく、千粒重(※)は重く多収。雑味が少なく、やわらかい味のお酒が期待できます。耐冷性が高く、安定生産が可能です。
 
※千粒重(せんりゅうじゅう)…子実1,000粒の重量を示したもの。

流通量の約4割は道外へ出荷。

北海道内の酒蔵が使う、酒造好適米の道産比率は年々高まり、現在は6割を超えるまでに。さらに道外での需要も増加し、道産酒造好適米の流通量のおよそ4割は道外(ホクレン取り扱い分)で、27都府県の51蔵が北海道産を使用しています(2020年3月時点 ホクレン調べ)。
理由の一つには、収量と品質が安定していること。加えて、全国新酒鑑評会で、北海道の酒造好適米を使った酒が16年前からほぼ毎年金賞を受賞していることなども、北海道の酒造好適米が府県産に引けを取らない証しになっています。

日本酒の消費の落ち込みで生産力低下も。

道内外の酒蔵での需要の高まりから、近年、北海道の酒造好適米の作付面積は着実に広がってきました。そうした矢先、新型コロナウイルスの影響で、飲食店などの営業自粛やイベントの中止により、これらの販路がほぼ停止してしまう事態に。
日本酒の消費が低迷すれば、2020年産の仕込みにも影響しかねず、来年以降、酒造好適米の需要が大幅に減少してしまう可能性も。将来的に、生産力が低下してしまう恐れもあります。
北海道の生産者が育てた酒造好適米を、日本酒としておいしく味わえるのは、ほかでもなく酒蔵のおかげです。今こそ多くの酒蔵を応援することが、多くの生産者へのエールになります。

生産者と酒蔵、そして消費者といっしょに
日本一の酒米産地を目指す。
新十津川町 ピンネ酒米生産組合 組合長 新井隆之さん

JAピンネは、北海道の酒造好適米(酒米)の生産量の約1/3を占める、北海道一の産地です。組合の発足以来、私たちが心がけてきたことは「酒蔵から求められる酒米づくり」です。蔵元の要望に一つひとつ応えながら、生産者が一丸となって栽培技術の改善や土づくりなどに取り組み、品質の向上に努めてきました。そのおかげで最近は全国各地の酒蔵からの引き合いも増えて、作付面積も伸びています。
しかし、新型コロナウイルスの影響で日本酒の消費が大幅に落ち込み、業界全体がこれまで経験したことのない苦境に陥ってしまいました。
酒米は、うるち米と違い、酒蔵が日本酒にしてくれて初めて皆さんの手に届きます。ですから、生産者と酒蔵はいわば一心同体。一年一年、真剣につくってきたお酒の行き場が失われていることは、とても残念でなりません。私たちにとって、皆さんの「おいしい!」という声がいちばんの励みになります。目指すは、日本一の酒米産地。ぜひ一人でも多くの皆さんに、私たちの思いがこもった北海道産の酒米でつくった日本酒を飲んでいただきたいです。

北海道のおいしい食材には
北海道の酒米で作ったお酒がよく合います。
地酒ノ酒屋 愉酒屋 
女将・利き酒師 成田知世さん

きれいな雪解け水に恵まれる北海道には、おいしいお水が豊富にあります。その水で育てた酒米と、その水で作る北海道の地酒は、年々おいしくなっていて全国的にも評判が上がっています。
「日本酒は選ぶのが難しい」と思われがちですが、そんなことはありません。北海道産の酒米には、吟風(ぎんぷう)、彗星(すいせい)、きたしずくの3種類があり、それぞれキャラクターが異なります。これらの酒米が、酒蔵で杜氏さんの手にかかると、「吟風は豊潤でふくよかな味わい」「彗星はすっきりとして食事に合わせやすい」「きたしずくは吟風と彗星の良さを兼ね備えた豊潤な甘さと独特の味わい」が特徴の日本酒になるといわれています。こうした酒米の個性に各酒蔵の特色が加わり、さらに唯一無二の味わいを醸し出します。酒蔵はもちろん、酒米によって選ぶのもいいですし、一緒に楽しむ食べ物によって選ぶのもおもしろいですね。
幸せなことに、北海道は海の幸にも山の幸にも恵まれていて、どれをとってもおいしい。海の近くにある酒蔵のお酒には海産物、内陸にある酒蔵のお酒には肉料理や野菜料理といったマッチングも、北海道らしい楽しみ方です。
酒米農家さんと話すと、酒米の1粒1粒を大切に育てているのが分かります。そして、それを受け取った酒蔵はおいしい日本酒にしようと情熱を注いでいます。私たちはそのバトンを受け取り、消費者のみなさんに日本酒をお届けしています。みなさんにもこのバトンを受け取っていただき、次の週末、家で飲むお酒には、ぜひ道産の酒米で作ったお酒を選んで、楽しんでみていただきたいです。
 
【地酒ノ酒屋 愉酒屋】
〒004-0832 札幌市清田区真栄2条2丁目4-12
TEL(011)881-2344 info@yusyuya.jp
 
営業時間:10:00~19:00(土・日・祝/10:00~18:00)
定休日:毎週水曜日・第3木曜日
https://www.facebook.com/yushuya.jp/

< 日本酒プレゼントキャンペーン >

こちらの記事を読んで応募しよう!
クイズに答えた方の中から抽選で144名様に道産酒米を使用した日本酒をプレゼント。
 
応募方法などはこちら >