Q
就農したきっかけは?
その時に思っていたこと、苦労したことは?

農業に憧れ妻の実家で就農。
3Kイメージの払拭を模索
高校卒業後、調理師を目指し、大阪へ進学。Uターン就職した帯広の商社で農家出身の妻と出会いました。そこから農業に興味を持ち、妻の実家でいもの収穫などを体験するうちに共同体での生き方や美しい景色にも心を動かされ、ここで農業をやりたいと婿養子に入りました。就農当初は楽しい気持ちが大きかった一方で、「3K」のレッテルを貼られた農業を、少しでも魅力ある産業にしていきたいと感じていました。

祖父母の望みに応えて就農。
台風で農業の大変さを痛感
高校までは教員志望で、親から後を継いでほしいと言われたことはありませんでした。大人になるにつれ、祖父母の望みに応えなくてはと長男の使命を感じ、流通業界を経て就農しました。当初は農業の知識がなかったため、日に何度も青年部の先輩や仲間に助けを求めていました。2年目には台風で川が氾濫し、畑が流されました。苦労して育てた作物が一瞬にして水の泡になり、農業の不安定さを痛感しました。
Q
次世代に受け継いでもらいたいことや、
先代から受け継いでいきたいことは?

経営者の自覚を持ち、
家族との時間を楽しんで
日本の食料基地・十勝の農業者として自信と誇りを持ち、先人に対する感謝の心を忘れないでほしいです。その上で、数字の管理ができない農家に未来はないので、息子には農業者だけでなく、経営者の自覚を持ってもらいたいと願っています。地域のためにも後輩を育てることは大事だと思いますが、頑張りすぎるところがあるので、体に気をつけながら家族の幸せを最優先に、家族との時間を楽しんでほしいです。

自分が育てられたように、
人を育てて地域に恩返しを
父から口うるさく言われているのは、経営管理の大切さ。経営感覚を受け継ぎ、自分の代で始めたコントラクター(作業受託)事業に力を入れたいと考えています。現在請け負っているのは小豆とじゃがいもの収穫ですが、将来的に品目を増やす目標を立てています。青年部は、「仲間作りの場」であり「農業者として成長できる場」です。自分が育ててもらったように後輩を育てることで、町と農業が育っていくことが理想です。