北海道各地の“いま気になる”話題をお届け。
地域発のユニークな取り組みや注目の産品を、耳より情報としていち早くご紹介します。
【 JA新はこだて 】GI認証で注目高まる、ブランドにら。
『しりうちにら 北の華』の魅力を探る
北海道産にらの約7割を占める全道一の産地、道南・知内町。町の特産品であるブランドにら『しりうちにら 北の華』が2025年11月、農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録されました。これにより、地域と結びついた知的財産として国に守られるだけでなく、GIマークをつけて販売できるようになり、さらなるブランド価値の向上が期待されています。葉幅が広く、肉厚でしっかりとした甘みが特徴の『しりうちにら 北の華』。その魅力と実力を探るため、産地を訪ねました。
たった8人の若者から始まったにら生産
津軽海峡に面する知内町は、人口約3,700人の小さな町。農業と漁業が盛んで、自然の恵みを生かした産業が根づいています。同町のにら栽培は、1971年に若手生産者8人からスタートしました。75年には「知内町ニラ生産組合」が発足。現在では知内町と木古内町あわせて68戸が所属する、一大産地へと成長しています。
「『しりうちにら 北の華』の一番の魅力は、品質の良さですね。市場関係者やスーパーの方、そして消費者の皆さんからも高く評価していただいています」と話すのは、組合長を務める生産者の玉森聡さん。収穫は日が昇る前の早朝に行われ、その日のうちに集荷施設へ。出荷直前まで低温でしっかり管理されるため、鮮度が長持ちするのも大きな特長です。こうした丁寧な積み重ねが、品質の高さにつながっています。
「GIマーク」は国が認める安心の目印
地理的表示(GI)保護制度とは、「その土地で育まれた特別なおいしさ」を国が認める“お墨付き”のようなものです。
数あるブランド野菜の中でもGI認証を受けるには、「産地と結びついた特性があること」や「特性を保持するための品質管理体制」、「長年の生産実績」など、いくつもの条件をクリアする必要があります。そのためGIマークは、消費者にとって“安心して選べるおいしさの目印”ともいえます。
『しりうちにら 北の華』でも、栽培技術の講習やほ場管理の徹底など、日々の取り組みを大切にしながら品質向上に努めています。さらに、パッケージのQRコードから生産者の名前を確認できるなど、安全・安心への配慮も徹底。顔が見える仕組みづくりを構築しています。
この先も止まらない、成長と挑戦
『しりうちにら 北の華』の出荷は、例年1月上旬から11月下旬まで。ハウス栽培による温度管理で出荷時期を調整し、年間を通じて安定した供給を実現しています。現在では、沖縄県まで出荷先が拡大。販売額もこの10年で右肩上がりに伸び、2025年には17億円を超え、過去最高を記録しました。
「長く出荷できる魅力もあって、若手生産者や新しく就農する人も増えています。物価高や夏の暑さなど課題はありますが、生産量2000t・20億円を目指していきたいですね」と玉森さん。GI登録後はメディア取材も増え、注目の高さを実感しているといいます。「ありがたい気持ちと同時に、安定して供給し続ける責任も一層重く感じています。これからも品質を守りながら、販路拡大や新しい挑戦にも取り組んでいきたいです」。にらのように長く、まっすぐに。この勢いはまだまだ続きそうです。