道内12エリアをたずねながら、地域ならではの風景や人々、
その土地ご自慢の北海道農畜産物をご紹介。
あなたの身近にもきっとある「北海道のおいしさ」と、そして「北海道がおいしい理由」に触れてみてください。
胆振・日高エリア
弓なりに広がる、穏やかな大地
北海道の南西部に位置する胆振(いぶり)・日高エリアは、太平洋を望む美しい海岸線と、「北海道の背骨」とも称される雄大な日高山脈に挟まれた、4つの市と14の町からなる地域です。東は風光明媚な襟裳(えりも)岬がある日高地方のえりも町から、西は丸い形が特徴的な噴火湾に面した胆振地方の豊浦町まで、東西に長く弓のような形をしています。
この地域の大きな魅力は、その穏やかな気候にあります。夏は比較的涼しく、冬も内陸の一部を除けば気温がマイナス10℃を下回ることはほとんどありません。一年を通じて安定した気候が、豊かな暮らしを育んでいます。
胆振地方には、火山のエネルギーが生んだ洞爺湖(とうやこ)や登別(のぼりべつ)といった有名な温泉地があり、その一方で室蘭や苫小牧のような、ものづくりで発展した「工業都市」としての顔も持っています。対する日高地方は、古くから馬とともに歩んできた歴史があり、地域の誇りとして今に受け継がれています。
日本一の馬産地と多彩な農業
胆振・日高エリアは、日本一の馬産地です。この地域一帯はサラブレッドの生産が盛んで、全国の98%を占めています。日高地区だけでも全国シェアの約8割を誇っており、地域の経済を支える大切な柱となっています(※)。
また、この地域は黒毛和牛の主要な産地であるほか、胆振地方では稲作や畑作、野菜、果樹、さらには酪農まで、多種多様な農業が行われています。ちなみに養鶏も盛んで、全道で飼養されている鶏の約半数が胆振で育てられています。一方の日高地方では、トマトやピーマン、ミニトマト、デルフィニウムの栽培にも力を入れており、道内でもトップクラスの産地として知られています。
こうした豊かな実りを支えているのが、有珠山(うすざん)や樽前山(たるまえざん)といった活火山の存在です。実は胆振地方の約7割、日高地方の約6割の土が、火山の影響を受けた火山灰土壌でできています。その水はけの良さは農業にうってつけで、多くの恵みをもたらしています。
※農林水産省「令和7年馬をめぐる情勢」より
“早出し”も“道内一”もそろうブランド特産品
この地域には魅力的な特産品が数多くあります。なかでも、作付面積が北海道一を誇るブロッコリーをはじめ、北海道生まれ・白老町育ちのブランド和牛『白老牛』、道内トップの出荷量を誇る『びらとりトマト』など、全国でも知られる農畜産物がそろっています。
また、比較的温暖で雪が少ない気候を生かし、レタスやほうれんそうなどは北海道の中でも早い時期から出荷されるのが特徴です。さらに、この地域は古くから化学肥料や農薬をできるだけ抑えた“クリーン農業”に力を入れてきた地域でもあります。安全・安心な農畜産物づくりに早くから取り組んできた、北海道を代表する先進地のひとつとして評価されています。
若い力と連携が生む農業の進化
日高エリアでは、近年トマトやいちごといった野菜栽培や肉用牛の生産など、時代のニーズに合わせた農業の多様化が進んでいます。特にミニトマトやピーマンの生産では、自治体による手厚い支援もあって、ここ十数年で新規就農者が生産者戸数の半数近くを占めるなど、若い世代の活躍も目立っています。
また、管内ではポテトチップスなどの材料になる加工用じゃがいもの生産を拡大。食卓に安全・安心でおいしい農畜産物を届けるため、産地間で手を取り合いながら進化を続けています。