JAびらとり

北の産地からこんにちは [Hello from the Northern Farms]

北海道各地の“いま気になる”話題をお届け。
地域発のユニークな取り組みや注目の産品を、耳より情報としていち早くご紹介します。

【 JAびらとり 】おいしさ最優先で、道内一の産地を築く『びらとりトマト』。

【 JAびらとり 】おいしさ最優先で、道内一の産地を築く『びらとりトマト』。 【 JAびらとり 】おいしさ最優先で、道内一の産地を築く『びらとりトマト』。

平均糖度5.5度!全道トップの大玉産地

北海道で大玉トマトの産地といえば、真っ先に名前があがるのがJAびらとりです。平取町と日高町にまたがるこの地域は、半世紀以上にわたり生産量と作付面積で全道トップの地位を築いてきました。
1991年からは、品種をすべて甘みが強く適度な酸味が特徴の「桃太郎」系に統一。さらに選果場では1玉ずつ糖度を測定し、4度以下のものは出荷しないなど独自の基準をクリアした高品質のものだけを『びらとりトマト』として全国へ届けています。
平均糖度は5.5度と甘みに富み、実が引き締まっていて日持ちも良い『びらとりトマト』。その栽培について、同JAの営農生産部青果課課長、村岡宙さんは次のように話します。
「多くの産地では病気に強い接ぎ木苗を使いますが、私たちは使っていません。育てる難しさはありますが、おいしさを最優先にしています」。そこで、おいしいトマト作りに誠実に取り組む生産者の思いを聞きに、現場を訪ねました。

毎年待っていてくれる消費者に感謝

『びらとりトマト』は、出荷先の約8割が道外です。消費地の店頭に並ぶまで約3日かかる長距離輸送を踏まえて、生産現場では完熟の手前で収穫しています。
「青いうちから糖度やうま味がしっかりのるのが、この品種の魅力なんですよ!」。そう笑顔で教えてくれたのは、「びらとり野菜生産振興会トマト・胡瓜部会」部会長の松原邦彦さん。松原さんによると、トマトを栽培するハウス内の温度や湿度は自動制御で管理されているものの、近年の厳しい暑さへの対策として、すべてのハウスに遮光・遮熱カーテンをかけたり、水やりの回数を増やすなど、新たな作業も増えているといいます。
「手間やコストはかかるけれど、待ってくれている人のためにも品質は絶対に落とせないよね」と松原さん。「毎年出荷が始まると、専用コーナーを作ってくれるスーパーもあるんです。中には“びらとりトマトを愛しています!”とお手紙をくださるお客さまもいて、本当にありがたいですね」。
じっとしているだけでじわじわと汗が流れるハウスの中で、松原さんはきびきびと作業をこなしながら、うれしそうに目を細めます。

仲間や産地が手を取り合う農業を

例年5月中旬から11月中旬まで生産される『びらとりトマト』は、夏場に最盛期を迎えます。一方、冬から春にかけては、九州や本州などの産地が季節ごとにバトンをつなぎ、国産トマトの安定供給を支えています。
「道内1位はうれしいことだけど、自分の産地だけ良ければというのは好きじゃない。国産を絶やさないためにも、これからは産地同士が手を取り合っていくことが大切じゃないかな」。そう語る松原さんの視線は、日本の食の未来に向けられています。
「大玉トマトの生産者も生産量も減少傾向にありますが、この先もおいしさを守りながら、常に挑戦を続けることが大事。部会員みんなが“大玉トマトを作ってよかった”と思える組織でありたいですね」
トマトの栽培歴約30年という大ベテランでありながら、「毎年一年生ですから」と挑戦者の精神で取り組む松原さん。はち切れるほど大きく育ったトマトに負けない、大きな笑顔が印象的でした。

生食用トマトで作るトマトジュースが好評

『びらとりトマト』のおいしさは、形を変えて注目を集めています。それが、ふるさと納税などでも年々ファンを増やしているトマトジュース〈ニシパの恋人〉です。人気の理由は、贅沢にも生食用をそのまま原料に使っていること。すっきりとした飲みやすさで「このジュースならおいしく飲める!」と評判です。
実はこの商品、もともとは傷や形などの理由で規格外となったトマトを有効活用するために開発されました。しかし最近は、うれしい悩みに直面しているそうです。
「近年は品種改良や生産者の栽培技術が上がったことで、ジュースの原料になる規格外のトマトが出にくくなり、需要に生産が追いつかない状況です」と村岡さん。現在は一部の規格品もジュースに使用するなど、工夫を凝らしながら生産を維持しています。さらに、地元のブランド和牛を使ったトマトカレーなどの加工品も人気上昇中とのこと。産地のこだわりが詰まった自慢のグルメを、ぜひ味わってみませんか。