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【 JA道央 】札幌近郊で育つ、夏のごちそうスイートコーン。
札幌から車で30分、江別市のスイートコーン産地へ
夏の味覚といえば、甘くてみずみずしいスイートコーンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。北海道は国内最大のスイートコーン産地として知られ、夏を代表する農産物のひとつです。
今回訪れたのは、札幌市中心部から車で約30分の場所にある江別市です。札幌への通勤・通学圏として発展してきたベッドタウンでありながら、市の総面積のおよそ4割が農地という、農業が盛んな地域でもあります。そんな江別市では、現在47戸の生産者がスイートコーンを栽培し、わずか2カ月の収穫期に100万本以上を出荷しています。
そこで今回は生産者であり、JA道央「江別・野幌スイートコーン生産部」の部長を務める保倉将仁さんに、江別産スイートコーンの魅力について話を聞きました。
おいしさで支持され続ける『恵味(めぐみ)ゴールド』
江別産スイートコーンの魅力を語るうえで欠かせないのが、イエロー種の『恵味ゴールド』です。甘みが強く、粒皮が柔らかいのが特長で、江別市では20年以上にわたって栽培されている主力品種です。
保倉さんは、『恵味ゴールド』が江別に根付いた経緯をこう振り返ります。「恵味シリーズが誕生する際、最初に試験導入したのが江別だったと聞いています。この土地との相性が良かったようで20年以上栽培が続き、今でも最も多く生産されている品種なんですよ」。
また、JA道央 江別営農センターの南部裕平さんは、江別産スイートコーンが多くの人に選ばれる理由のひとつとして、『恵味ゴールド』への高い評価を挙げます。
「販売先から『恵味ゴールド』を指定されることが年々増えています。実際に食べて“おいしい”と評価していただいた結果、支持してくださるお客さまが増えたことは、産地として大きな強みになっています」
朝採りと配送まで続く鮮度管理で信頼を届ける
江別産スイートコーンの強みは、北海道最大の都市・札幌に隣接する立地を生かした鮮度管理にもあります。収穫したてのおいしさを届けるため、生産から出荷まで鮮度を保つ工夫が徹底されています。
保倉さんの畑では、スイートコーンの糖度が高い状態を保ちやすい早朝に収穫作業を行います。最盛期となる8月上旬には、家族3人で1日にコンテナ100ケース以上、約3,000本を収穫することもあるそうです。
保倉さんは、早朝収穫にこだわる理由をこう話します。
「日光が当たる前の最もおいしい状態で収穫できますし、涼しい時間帯の方が作業効率も良いんです」
収穫したスイートコーンは午前10時までに集荷施設へ運び込まれ、真空予冷施設(下記写真)で約3度まで一気に冷却されます。その後は冷蔵庫で保管し、配送時もコールドチェーンを維持することで、鮮度を保ったまま消費者のもとへ届けられています。
さらに、収穫前には毎年「目揃い会」を開き、重さや長さなどの出荷基準を生産者全員で確認しています。一人ひとりが安定した品質を保つことで、産地への信頼につなげています。
畑を育て、未来へつなぐ産地を目指して
多くの人に親しまれている江別産スイートコーン。一方で、産地では近年の気候変化による害虫の影響で、作付面積が減少傾向にあるといいます。同生産部ではそのおいしさを守るため、専門機関と連携して防除対策の見直しにも力を入れており、生産量を維持するための施策にも取り組んでいます。
保倉さんは、生産者にとって安定して生産ができることが大前提とした上で、スイートコーンにはおいしさだけではない魅力があるとも語ります。
「スイートコーンは実だけを収穫し、そのほかの茎などは畑にすき込みます。有機物として土壌に還元されるので、その後に植える作物の生育にも良い影響があるんです。畑にとっても有益な作物ですから、生産者の皆さんに再び作付けしてもらえるよう、部としても働きかけていきたいですね」
食べる人を笑顔にするだけでなく、健全な土づくりにも役立つスイートコーン。その価値を大切にしながら、保倉さんはこれからも多くの人へおいしさを届けられる産地を目指しています。