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地域発のユニークな取り組みや注目の産品を、耳より情報としていち早くご紹介します。
【 JAしべちゃ 】涼しさをおいしさに変える『釧路ほくげん大根』。
8戸の生産者が作る、希少なブランド大根
日本国内でも特に涼しい夏を過ごせる地域として知られる、釧路エリア。7月と8月の平均気温は約20度で、30度を超える日はほとんどありません。そんな冷涼な気候を生かした特産品が、釧路町と標茶町で生産されている『釧路ほくげん大根』です。
出荷期間は例年7月中旬から10月中旬。生産者はわずか8戸で、ほぼ全量が夏場に大根の供給量が少なくなる本州へ出荷されます。そのため、北海道ではあまり知られていない希少な大根でもあります。今回は、そんな知られざる産地を訪ね、40年以上にわたって栽培を続ける生産者の佐藤哲也さんに、釧路エリアの気候がおいしさを生む理由や、大根作りへの思いを聞きました。
「北限」から始まった、大根作り
『釧路ほくげん大根』の歴史は、1981年頃にさかのぼります。当時、釧路町が大根の栽培地として最も北に位置していたことから、『北限大根』の名称で生産が始まりました。一方、標茶町でも大根の栽培が始まり、産地として発展。1996年、両JAの合併を機に名称を『釧路ほくげん大根』に統一し、2013年には商標登録されました。
そんな『釧路ほくげん大根』の魅力について、佐藤さんは「肌がきれいで、甘さとみずみずしさが最大の特徴です」と語ります。そのおいしさを支えているのが、このエリア特有の涼しい気候。佐藤さんによると、大根は高温になると品質に影響が出やすく、冷涼な環境が生育に適しているそうです。「“今まで食べた大根の中で一番甘い!”と言われたこともありますよ」
そう笑顔で話す佐藤さん。この地域の涼しい夏こそ、『釧路ほくげん大根』のおいしさを育む大きな秘密なのです。
広大な畑の維持には、マンパワーが不可欠
『釧路ほくげん大根』の生産者の中でも、最も広い作付面積を持つという佐藤さん。その大根畑は約40haで、東京ドームに換算すると約8.5個分にもなる広さです。訪れた日は、ちょうど収穫作業の真っ最中。朝3時半から稼働する収穫機械の上では、4人のスタッフが大根を選別し、コンテナへ手際よく積み込んでいました。
「この一帯は丘陵地で、機械が入れないほど傾斜がきつい場所もあるので苦労も多いです」と佐藤さん。コンテナが満杯になるとフォークリフトで大型トラックの荷台へ。そこから敷地内にある選果場へと運び込まれます。最盛期には、1日の収穫数が約3万本に上ることもあるそうです。「昔は手で抜いていたのが信じられないほど機械化が進みましたが、それでも6〜8人の人手が必要です」と佐藤さんは説明します。
土を育て、おいしさを守り続ける
40年にわたって大根作りに携わってきた佐藤さんが大切にしているのが、品質の良い大根を育てるための土づくりです。収穫を終えた畑ではライ麦を栽培し、緑肥として活用しています。「育てたライ麦は収穫せずに、すべて肥やしとして畑にすき込みます。大根のために作物を余分に育てるので手間はかかりますが、結果的に農薬の使用を抑えられるメリットがあるんです」。佐藤さんは土づくりを通して持続可能な産地を目指し、環境負荷の軽減にも取り組んでいます。
最後に、おいしい大根の選び方について佐藤さんに質問すると、「太いほうが、みずみずしくておいしいですよ!」との答えが返ってきました。「サラダや大根おろしはもちろん、おでんや煮物にもおすすめです。たくさん食べていただきたいです」と笑顔で締めくくってくれました。