JAたきかわ

北の産地からこんにちは [Hello from the Northern Farms]

北海道各地の“いま気になる”話題をお届け。
地域発のユニークな取り組みや注目の産品を、耳より情報としていち早くご紹介します。

【 JAたきかわ 】一粒のおいしさを、もっと先へ。米産地の挑戦。

【 JAたきかわ 】一粒のおいしさを、もっと先へ。米産地の挑戦。 【 JAたきかわ 】一粒のおいしさを、もっと先へ。米産地の挑戦。

北海道米を支える、道内屈指の米どころ

待ちに待った新米の季節です。9月中旬から本格化した北海道米の収穫作業も終わりを迎え、店頭には北海道生まれの新米が並び始めています。
北海道米と聞いて、皆さんはどんな銘柄を思い浮かべますか? 代表的なのが『ななつぼし』と『ゆめぴりか』です。どちらも日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」で最高位の「特A」を16年連続で受賞しています(※)。
『ななつぼし』は、北海道で最も食べられている品種。甘みと粘りのバランスがよく、あっさりとした食感が魅力です。一方、『ゆめぴりか』は北海道を代表するブランド米の一つで、北海道米の中でも特に強い粘りが特徴です。
そんな北海道米の一大産地といえば、道内有数の米どころである空知エリアです。今回はその中から中空知地域の米作りを支えるJAたきかわに注目。同JAの販売部農産販売課長、東和憲さんと、芦別市で『ななつぼし』『ゆめぴりか』を生産する杉本章悟さんに、おいしい米を育てる工夫と、これからの産地づくりへの思いを聞きました。
※一般財団法人日本穀物検定協会調べ(令和7年産米)。平成22年~令和7年産米(ゆめぴりかの平成22年産米は参考品種)

昼夜の寒暖差が育む、芦別のおいしい米

北海道のほぼ中央に位置する芦別市は、総面積の約9割(※)を森林が占める自然豊かなまちです。内陸の盆地という立地から、季節ごとの寒暖差に加えて、一日の中でも気温差が大きいのが特徴です。
「寒暖差が大きい環境もあって、お米がおいしく育つ条件が整っています」。そう話すのは、農家の5代目として米作りに取り組む杉本さん。前職は道内のJA職員でした。仕事を通じて農業の後継者不足や高齢化について耳にする機会が増え、田畑が減っていく現状を目の当たりにするうち、「農家の息子として、自分が農業を引き継ごう」という思いが芽生えたといいます。
「実際に就農したのは35歳の頃で、農業を始めてからまだそれほど年数は長くありません。親の時代とは環境も技術も変わってきているので、仲間と情報交換したり、周りの方に教えてもらいながら、より良い米作りに取り組んでいます」と杉本さんは話します。
※芦別市ホームページより

低タンパク米を目指して、米作りに向き合う

お米のおいしさを左右するポイントのひとつが、タンパク質の量です。一般的にタンパク質が少ない米は、炊き上がりがやわらかく、粘りのある食感になりやすいとされています。「低タンパクの米作りは、米農家にとって永遠のテーマですね」と杉本さんは力を込めます。JAたきかわでも、低タンパク米の栽培マニュアルを策定。育苗から収穫までそれぞれの生育ステージに応じた技術講習会を実施し、生産者の栽培技術を高めながら、品質の安定化につなげる取り組みを進めています。
「品種は違っても、基本的な栽培方法はほとんど変わりません。田植えや稲刈りを適切な時期に行うなど、当たり前のことを当たり前にやることが実はとても難しいです。今年は外部に土壌検査を依頼して、田んぼに合った栽培管理について相談しながら、新しいやり方も取り入れています」
土の状態を見極め、その年の環境に合わせて栽培方法をアップデートする。そうした細やかな積み重ねが、おいしさと収量を両立する米作りにつながっています。

米の産地として、もっと知られる存在へ

2025年には、芦別市産の『ななつぼし』がANA国際線ファーストクラスの機内食に採用されました。また、同年にはJAたきかわのマスコットキャラクター「米美(まいみ)ちゃん」が公募によって誕生。おいしい米を作るだけでなく、産地の魅力をより多くの人に知ってもらうための取り組みも始まっています。
「道内屈指の米どころとして、名前がすぐに挙がる産地づくりが目標です。多くの人にJAたきかわ米をもっと知ってもらえるような対策に力を入れていきたいです」。そう話す東さんは、産地としての存在感をさらに高めるため、米粉をはじめとする加工品の開発にも視野を広げています。
一方、昨今の国産米を取り巻く状況の中、杉本さんが願っているのは、北海道米をこれからも多くの人に食べてもらうことです。
「価格や供給量の不安定化によって、消費者の米離れにつながってしまうことが一番悲しいことです。北海道米に限らず、お米を食べる習慣をなくしてほしくないと切に感じています」

つくる人が技術を磨き、産地が魅力を発信し、食べる人へおいしい米を届ける。その一つひとつの積み重ねが、北海道の米作りを次の世代へつないでいきます。今日の食卓に並ぶごはんの一粒一粒にも、そんな生産者の思いが詰まっています。