長谷川さん
ご夫婦
(むかわ町)
農家の時計

農家の時計 農家の時計

今回の農家さん

長谷川博章さん とよこさんむかわ
農家の4代目である博章さんは、地元の介護施設での事務職を経て、早来(はやきた)(現:安平(あびら))町出身の妻のとよこさんは、二人の娘の出産・育児を経て、共に5年前に就農。バレーボールが趣味のとよこさんは、地元チームに所属し、週に一度汗を流すのが日々の楽しみなのだそうです。

むかわ町の特産物
『春レタス』とは?

むかわ町では1990年、降雪量が少なく日照時間が長いという気象条件を生かし、北海道の他の地域に先がけて、厳冬期に暖房せずにハウスの室温を調整してレタスを栽培する方法を確立。一般的な栽培日数よりも30〜40日長い、およそ100日かけて育てるのが特徴で、「葉に厚みがあってやわらかく、甘くて苦味が少ない」と市場から高い評価を受けています。
品種は、結球レタスの『春P』『アイスデューク』『コロラド』の3種。例年3月から収穫・出荷され、購入可能期間は3月下旬〜6月上旬。減農薬への意識も高く、全84戸の農家が一丸となってブランドを育てています。

■長谷川さん夫妻の1日(5月の一例です)

早朝はレタスの収穫、
午後はトマト栽培の準備

長谷川さんのハウスでは、12月〜5月が春レタス、6月〜11月にはトマトを栽培。5月は春レタスの収穫作業のピークで、月末まで毎日続くのだそう。「気温が低い早朝のうちに、母親や研修生、パートスタッフの7人で収穫しています」と博章さん。収穫を終えると、ハウスの清掃、耕土、肥料の散布を行い、6月からのトマトの栽培に向けて準備を整えます。

北海道の春野菜の
トップバッター的存在

札幌市中心部から、車で約1時間半。太平洋に面したむかわ町は、“むかわ竜”と呼ばれる首長竜の化石や、名物のシシャモで全国的に有名なまち。しかし、高速道路を降りた先に広がるのは海、ではなく畑! 360度見回してみると、見渡す限り畑が続き、農業が盛んなまちなのだと気づきます。中でも全道屈指の出荷量を誇るのが、春レタス。その栽培面積は、28ha。主に道内の札幌・苫小牧・旭川に出荷されています。
今回は、道内でいち早く収穫されている春レタスを見学するため、長谷川さんのハウスを訪ねました。

一玉一玉に個性があるレタスたち

取材に訪れた4月中旬、長谷川さんのハウスの中は、あふれんばかりの緑で埋め尽くされていました。近づいて見てみると、球状になった無数の葉を包み込む、ひらひらとした外葉がまるで花びらのようです。ハウス1棟当たりで栽培されているレタスは、なんと3250株。苦労する点について聞いてみると、「定植する12月下旬から2月上旬にかけては氷点下の日もありますが、ハウス内は30度以上になることも。適温は15度〜20度で、20棟あるハウスの温度管理はすべて手作業で行っているので労力がかかります」と博章さんは説明します。
今は収穫作業の真っただ中で、一日の収穫量は、ダンボール150ケースにもなるそうです。長谷川さんが所属するJAむかわ管内の鵡川(むかわ)蔬(そ)菜園芸振興会レタス部会では、大きさや重さなどに独自の出荷規格を設け、ブランドの品質を守り続けています。「規格に合うものを選別しながら手作業で収穫しています。同じ苗を同じタイミングで栽培しても、玉になるものとならないものがあり、一つとして同じには育ちません。一玉一玉に個性があるんだなぁと日々実感しています」。

おいしく味わうには、
早めに食べるのが一番!

収穫したばかりのレタスを手に取ってみると、想像よりも驚くほど軽い! 重さがおいしさの目安とされることが多い野菜ですが、95%が水分のレタスは例外だということがよく分かります。おいしいレタスの見分け方について、「外葉が立っているものを選ぶといいですよ」と、とよこさん。保存方法も尋ねると、「すぐに食べ切ることが一番です!(笑)」との答えが。
そこで、さっそく手でちぎって食べてみたところ、外葉にも苦味がなく、今まで食べたことのない甘さとみずみずしさにびっくり! 塩・こしょうをかけるだけで十分おいしい。生のレタスがごちそうに感じるほどの幸福感も味わえます。明日から、レタスは購入したその日に食べ切ろうと心に誓いました。