認定マークで、品質を保証する
『ゆめぴりか』



- 北海道米の新たなブランド形成協議会 会長佐野 彰俊(さの あきとし)さん
高校卒業後、農家の三代目として就農。水稲(ゆめぴりか、ななつぼし、そらゆきなど5品種)を中心に、小麦、黒大豆を栽培。「JAあさひかわ稲作連絡協議会」会長を経て、2016年「上川地区『ゆめぴりか』生産販売流通協議会」会長に就任。今年1月より現職。
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『ゆめぴりか』のパッケージにある認定マーク。そこに小さく記されている「北海道米の新たなブランド形成協議会」とは、ゆめぴりかの誕生時に結成された全道の生産者と関係機関からなる組織のこと。今年1月、その会長に就任したのが、旭川市で農業を営む佐野彰俊さんです。
開口一番、「農家の親父の集まりには参加していたけれど、まさか全道の会長になるなんて。人生変わりました」と苦笑しますが、「ゆめぴりかは北海道を代表する米として認知されましたが、慢心せず、全生産者が謙虚な気持ちでおいしいものを作る努力を惜しまないようにしたい」とおごりがありません。
同協議会では、2009年の発足時に、ゆめぴりかの最大の魅力であるおいしさを守るため、「種子更新率100%」「栽培適地での生産」「タンパク含有率基準」などの全道統一ルールを策定。基準を満たす米だけを認定し、出荷しています。
精米パッケージに貼られている認定マーク。北海道の形や米という文字、そして美しい女性の横顔をイメージしています
「消費者の方が基準に満たない米を口にして、〝ゆめぴりかって大したことないね〟という評判が広がってしまうのが、生産者にとって一番困ること。ですから認定マークはとても大事なんです」と佐野さんは力説します。「極端な話、田んぼに苗を植えたら誰でも米は作れます。厳しい基準を満たして、やっとゆめぴりかを出荷したという気持ちになれる。認定基準を満たす米を作ることは、ゆめぴりかの生産者としての第一歩なんです」
「自分はどちらかというと収量を増やすのは得意な方なんです。ただゆめぴりかに関しては、増やそうとすると決していいものはできないんです」と基準を満たす米作りについて、佐野さんは苦労をにじませます。「そのため、収量を抑えてでも品質を高めるという考えで、手をかけて栽培しているので品質に見合う価格でないと困ってしまうというのも事実なんです」と付け加えます。
広い北海道の各地で、気象条件など異なる環境の下で作られているゆめぴりか。佐野さんは、「各地の生産者さんの話を聞くと、天候も米作りの苦労もまるで違います。ただ、基準をクリアするために、切磋琢磨されているのはどこも同じです」と説明します。
同協議会では、2015年からゆめぴりかのブランド力向上と最高級米の育成を目的に、おいしさを競う「ゆめぴりかコンテスト」を開催。全道7地区で選抜された米の中から、審査により最高金賞を選出しています。「ゆめぴりかの認定マークは消費者にとっての保証書のようなもの。基準を満たすおいしい米ですという保証付きのお米です。一方で最高金賞になると、〝コンテスト最高金賞米〟の冠付きで販売されるので、地域の生産者にとっては大変名誉なこと。米作りの励みになります」と佐野さん。
結果発表は11月。どの地域が最高金賞を取るか、乞うご期待です。
目を凝らさなければ見えないほど小さな稲の花。限られた開花時間の中で撮れた一枚
高校卒業後、農家の三代目として就農。水稲(ゆめぴりか、ななつぼし、そらゆきなど5品種)を中心に、小麦、黒大豆を栽培。「JAあさひかわ稲作連絡協議会」会長を経て、2016年「上川地区『ゆめぴりか』生産販売流通協議会」会長に就任。今年1月より現職。