
北海道の日高地方は、競走馬や乗用馬に適した軽種馬の生産・育成が盛んで、
国内生産頭数の約8割を占めています(※)。
あまり知られていませんが、軽種馬の生産・育成も農業のひとつ。
今回は、日高地方の牧場で大切に育てられている馬をじっくり見てみましょう。
※(公社)日本軽種馬協会「2023 軽種馬統計」
vol.60
Vol.60 じっくり見てみよう⑬軽種馬 編

頭は小さく、四肢は長いサラブレッド。身体はスマートながら、
胸や臀部の発達した筋肉を生かし、風を切って走る姿は美しく、
ただただ、みとれてしまいます。毛色は、鹿毛(こげ茶)、栗毛(黄茶)、
芦毛(灰)などがあり、ごく稀に白毛も見られます。

「蹄なくして馬なし」と言われるほど、蹄は馬にとってとても大切なもの。
牛同様、蹄は「第二の心臓」と呼ばれています。
蹄の病気が命取りになることもあるため、1カ月に8mmほど伸びる蹄は、
専門の技術者・装蹄師(そうていし)が専用の道具で手入れを行います。

大切に育てられている馬は、優しい目をしていて、毛並みが良く、
興味津々で近づいてくる人懐っこい一面を見せることもあります。
一頭一頭をじっと見ていくと、ヘアスタイルは同じではないようです。
生産者さんが馬の個性に合わせてアレンジしているのでしょうね。

よく手入れされている馬は、歩いたり走ったりするたびに弾む
尻尾までつやつやです。横から見れば、胸から臀部にかけての
ラインも美しく、サラブレッドはどこからどう眺めても絵になります。
ここ日高で育ち、やがて大舞台へ。大歓声の中を疾走する姿が浮かびます。