よくねた野菜
Vol.02

おいしいの研究

よくねた野菜

vol.2

研究者:清水麻友美さん

研究者:清水麻友美さん

ホクレン農業総合研究所 食品検査分析センター 食品流通研究課 主査。主に青果物の貯蔵試験を担当し、現在はにんじんやかぼちゃの寝顔を日々観察中とのこと。趣味は登山。

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よくねたいもは、あまーい夢を見たか?

よくねたいもは、
あまーい夢を見たか?

野菜をぐっすり眠らせる(呼吸を抑える)ことにより、長期間貯蔵しても、鮮度が保たれた状態で出荷することができる「CA貯蔵」。さらにじゃがいもには、プラスアルファのうれしい効果もあるのだとか。前回に引き続き、野菜のぐっすりを追究している清水さんに話を聞きました。

ぐっすり眠るほど、おいしくなる?

ぐっすり眠るほど、
おいしくなる?

ホクレン農業総合研究所で、2000年に玉ねぎからスタートしたCA貯蔵の研究(vol.1参照)。その良好な結果を受け、じゃがいもの試験にも着手したところ、驚きの結果が出たのだとか。数か月間のCA貯蔵を経て、採れたての新じゃがよりも数段おいしくなったというのです。「はい、具体的にいえば、じゃがいもの中にある糖が増えることがわかりました」と、成分分析の準備を進めながら答えてくれる清水さん。

ん?でもそれって、雪室じゃがいもと同じような話では?と思われた方もいらっしゃることでしょう(わたしもそう思いました!)。「たしかに雪室のような低温環境に貯蔵することで、じゃがいもの豊富なデンプン質が糖に変化します」

生まれた糖を、しっかりキープ!

生まれた糖を、
しっかりキープ!

ほらほらーと思いきや、「でも、これには先がありまして。生まれた糖は、呼吸をすることでエネルギーとして分解されてしまうんです」。なるほど、せっかく増えても、すぐに使われてしまうと…あ、だから呼吸を抑えるCA貯蔵!

「そうなんです。糖がどんどん蓄積されていくので、品種によっては採れたてよりも含有量がぐっと増えるものもあるんですよ」。それはスゴい! でも、どうして玉ねぎではその発見がなかったのでしょう。「玉ねぎにはデンプン質があまり含まれていないので、糖もほとんど増えないんです。かぼちゃなどはじゃがいもと同じようにデンプン質が多いため、CA貯蔵によって甘みが引き出されることが予想されますね」

CA貯蔵のさらなるメリットを求めて

CA貯蔵のさらなる
メリットを求めて

甘みが増したじゃがいも、本当においしそうですね。「それはもう! 甘さをダイレクトに感じられるじゃがバターやポテトサラダのようなレシピでぜひ一度楽しんでみてほしいです。シチューやカレーに入れても、存在感抜群ですよー」

CA貯蔵の研究は現在も進行中とのことですが、今後はどのような展開が? 「鮮度保持を目的にスタートした技術ですが、じゃがいもでは食味向上の効果もありました。今後は栄養・機能性成分の増加など、みなさんにメリットがある商品開発につながればと、日々研究に励んでいます」

清水さん、ありがとうございました。春になり、昨秋に収穫されたじゃがいもも目覚めのとき。3月から7月にかけて「よくねたいも」のパッケージで店頭に並びます。要チェックですよ!