おいしいの研究
ゆめぴりかコンテスト
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ゆめぴりかコンテストとは
ゆめぴりかコンテストとは、北海道の各産地が「ゆめぴりか」のおいしさを競うコンテストです。北海道米「ゆめぴりか」の生産技術や品質向上を目指して北海道米の新たなブランド形成協議会と北海道米販売拡大委員会が主催し、2015年にスタート。毎年、道内7地区で金賞を受賞した産地が全道大会に進出し、お米のプロや研究者などによる審査で「最高金賞ゆめぴりか」が選ばれます。
2024年の最高金賞は、
どの地区の「ゆめぴりか」に?
2024年11月21日に開催されたゆめぴりかコンテスト。今年も北海道内7地区で、生産者の皆さんが手塩にかけた「ゆめぴりか」が、地区予選を経て全道コンテストの場に出そろいました。今回のおいしいの研究は、いつもと少し趣向を変えて、ゆめぴりかコンテスト2024の会場から、「ゆめぴりか」の“おいしい”にかける皆さんの思いをお届けします。
「ゆめぴりか」を
日本一のブランド米へ
2024年で9回目の開催となるゆめぴりかコンテスト。このコンテスト開催を決めた経緯や目的について、ホクレン米穀部主食課の喜多智宏課長に聞きました。
「日本一の高級ブランド育成に挑戦することで、『ゆめぴりか』のブランド力に磨きをかける目的があります。また各地区・各産地がおいしい『ゆめぴりか』を生産するための技術研鑽に取り組むことでさらなる品質向上を図り、コンテストに様々な分野の方に参加いただくことで地域活性化や異業種との連携強化にも取り組めたらと考えています」と喜多課長。
生産者やJAからは、「最高金賞・金賞ゆめぴりか」に選ばれることで、プレミアム価格でなおかつ産地をうたっての販売が可能になるため、栽培への意欲向上にも繋がるという声が寄せられているそうです。最近では、受賞した「ゆめぴりか」の販売を心待ちにしているファンも増え、年末年始の贈答用にもニーズが高まっているとか。
「北海道米の新たなブランド形成協議会では、全国の皆さまへおいしい『ゆめぴりか』を安定的にお届けするため、独自の厳しい品質基準を設け、その基準をクリアした『ゆめぴりか』にのみ『認定マーク』を付与しています。生産者の思いが込められた認定マーク付き『ゆめぴりか』をぜひ選んでご賞味ください」と、喜多課長は生産者の思いを代弁します。
地域を代表する
「ゆめぴりか」の食べ比べ
開会に際して挨拶をした「北海道米の新たなブランド形成協議会」の大関光敏会長によると、2024年は夏以降の天候に恵まれ、自然災害の影響を受けることもなく「ゆめぴりか」は順調に生育。11月15日時点の一等米比率は99%、基準品率は83%と例年を大きく上回る出来だそう。「良質米生産への取り組みがしっかり実を結んだ結果です」と、大関会長は手応えを感じていました。
前段では、全道コンテストに参加する各地区の代表者と、7名の審査委員が紹介され、喜多課長がコンテスト概要を説明。その後、別室で審査委員の皆さんが味・香り・つやなどを評価する食味審査が行われ、会場では各地区の「ゆめぴりか」生産への取り組みが紹介されました。
審査が終わるまで、会場でも7種類の「ゆめぴりか」が提供され、コンテスト参加者をはじめ集まった関係者も食べ比べを体験しました。
今回、各地区で金賞を受賞したのは、以下のJAです。
「コンテストが作り手の
モチベーションになっています」
「北海道米の新たなブランド形成協議会」の大関会長と、稲村英樹副会長は、ともに「ゆめぴりか」の生産者でもあります。生産者として、このコンテストをどのような位置づけで考えているのでしょうか。「このコンテストはすごく影響力が大きく、最高金賞を取ることで、米の卸業者さんから声をかけていただくなど、販路拡大にも繋がり産地としてもありがたい存在です」と大関会長。
「最高金賞を目指すことが生産者のモチベーションにもなっています。過去8回の開催で、まだ最高金賞を取っていないのが道南地区と石狩地区。全地区が受賞することで、北海道の『ゆめりぴか』は、どこで作ってもおいしいと証明したいですね」と話す稲村副会長は、今回、石狩地区で金賞のJA北いしかり代表としてもコンテストに参加しています。
「『ゆめぴりか』は日本一のお米です。今年は特においしい『ゆめぴりか』が収穫できました。ぜひ全国の皆さんに認定マーク付きの『ゆめぴりか』を食べていただきたいですね」と大関会長は、言葉に熱を込めます。
それを受け、稲村副会長は「全国にはお米の高級ブランドがいくつもありますが、その中でも『ゆめぴりか』は飛び抜けておいしいと自負しています。ぜひ全国の方に味わってほしいですね」と力強く語ってくれました。
2024年の最高金賞は
JA新はこだてが初受賞!
いよいよ「最高金賞ゆめぴりか」発表です。川村周三審査委員長が講評に続いて発表した「最高金賞ゆめぴりか」は、道南地区代表JA新はこだて!ついに道南地区が初受賞です。JA新はこだて森基幹支店良品質米生産部会の鉢呂満部会長に表彰状が授与されました。初受賞に驚きを隠せない鉢呂さんは、スピーチで思わず「これ、本当ですか?」とコメントし、会場を和やかなムードにしました。
閉会後、鉢呂さんに喜びの声を伺うと、「道南地区は三方を海に囲まれる特殊な地形にあり、天候の影響を受けやすいなか、生産者が努力を重ねた結果です」と、仲間に感謝を示しました。部会では数年前から特に良質な圃場を選んで『ゆめぴりか』を作付けするようルール化。秋すき込みを徹底するなど、様々な取り組みを行ってきたそうです。最後に全国の読者の皆さんに向けて「今年はいい『ゆめぴりか』ができました。昨年の猛暑の影響などで米の在庫が減少し、価格も上がっています。消費者の皆さんにはお待たせしましたが、私たち生産者も主食を守るために責任を果たしたいと思っています」と、メッセージを寄せてくれました。
最高金賞を受賞したJA新はこだての「ゆめぴりか」は、2024年12月中旬から数量限定で発売。「最高金賞」のシールが目印です。また各地区で金賞を獲得した「ゆめぴりか」は2025年2月以降に発売予定です。こちらもぜひ味わってください。