Vol.51
北海道旭川
農業高等学校
「贅コクぷりん」
開発チームの
みなさん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

北海道旭川農業高等学校

北海道旭川農業高等学校 「贅コクぷりん」開発チームのみなさん

「第28回全国菓子大博覧会・北海道 あさひかわ菓子博2025」(2025年5月30日~6月15日)で、ホクレンの「贅コクたまご」を使った「贅コクぷりん」が期間限定で販売されます。開発したのは、旭川農業高校の生活科学科2年生10人と食品科学科3年生7人。高校、ホクレン、上川生産農業協同組合連合会によるプロジェクトメンバー、そして、アドバイザーの下國伸シェフらと共に準備を進め、試行錯誤を繰り返すこと約1年。この春、地元産の「米粉」と「さつまいも」を使い、アレンジをきかせた2種類の「贅コクぷりん」が完成しました。

北海道旭川農業高等学校
079-8431 旭川市永山町14丁目153番地
http://www.kyokuno.hokkaido-c.ed.jp/
TEL:0166-48-2887

  • 「贅コクぷりん 米粉」チーム

    「贅コクぷりん 米粉」チーム

  • 「贅コクぷりん さつまいも」チーム

    「贅コクぷりん さつまいも」チーム

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 こんにちは。「贅コクぷりん 米粉」チームは生活科学科2年生、「贅コクぷりん さつまいも」チームは食品科学科3年生のチームですね。下國伸シェフにもアドバイスをもらいながら進めた今回の開発では、どのようなことに特に重点を置きましたか。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 旭川らしさと高校生らしさです。下國シェフは常々、「食べていただいた方の感動を呼ぶには、ストーリーが必要だ。よくあるプリンではなく、旭川の農業高校生だからつくれるプリンとはなにか。そこを大事に考えてほしい」とおっしゃっていました。私たちは、旭川は米どころであり、校内でも米を栽培していることから、お米の消費拡大と米粉のPRをしていきたいと考え、米粉を組み合わせることにしました。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム 数年前から旭川ではさつまいもの生産が盛んで、米と同じく校内でも栽培しています。これからは、その加工方法も注目されると思い、愛着のある旭川農業高校産のさつまいもを使ったプリンをつくってみようと考えました。

GREEN編集部 「贅コクぷりん」は、最初からこの2種類と決まっていたのですか。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム いいえ、他に3種類ありました。旭川は酒造りも盛んで、高校でも甘酒をつくっていますので、甘酒を使ったプリンがありましたし、旭川農業高校産の牛乳を原料にしたチーズを使ったものもありました。高校生らしさという点では、スイーツではあまり使われないごぼうにチャレンジしたメンバーもいました。

GREEN編集部 最初は計5種類あったのですね。そこから、どのように2種類にしぼっていったのですか。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 2025年1月29日にJA上川ビルで働く方々を中心とした120名の方に試食をしていただき、アンケートをとりました。一番おいしいと思ったもの、気に入ったポイント、プリンのかたさやカラメルソースの苦み、値段を決めるならいくらがいいかなど、幅広い質問にお答えいただきました。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム アンケート回答を参考に、さらに味をブラッシュアップし、2月18日に旭川農業高校で実施された最終審査会に臨みました。審査会では下國シェフから直接評価、講評をいただくことになっていたので、緊張しました!

GREEN編集部 では、改めて、2種類のプリンのセールスポイントや工夫したところ、それに対する下國シェフからの感想や意見を紹介してください。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 私たちは、生米や麹、炊いたお米や酒粕などをプリン液やカラメルに入れるなど、10回以上試作しました。プリン液に入れるとお米のインパクトが無くなってしまったので、思い切って2層にすることにして、プリン液に入れても沈まないように米粉スフレをのせることにしました。下國シェフからは、「米粉スフレをのせる発想は面白い」と評価され、うれしかったです。スフレ生地をくずして、プリンやカラメルにしみこませる食べ方が、私たちは好きです。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム 初めは、さつまいもをオーブンで焼き上げて混ぜ込みました。ただ、この方法だと、さつまいもの香りが逃げてしまい、良さを打ち出せませんでした。下國シェフに相談すると、焼き方の工夫と牛乳に香りを移す方法を教えてくださいました。その結果、格段においしく、まるでスイートポテトのようなプリンを完成させることができました。カラメルと混ぜて食べると、まるで焼きいもを食べているような香ばしさを感じられるんですよ。

GREEN編集部 他の3種類のプリンについて、下國シェフはどのようなことをお話していましたか。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 甘酒プリンはカラメルに酒粕を入れたアイデアと食感の良さ、ごぼうプリンは甘さと土っぽさのバランスが評価されていました。チーズプリンは、下國シェフ自身がカラメルに混ぜるチーズの割合などを丁寧に説明されていました。

GREEN編集部 この審査会で、下國シェフが「あさひかわ菓子博」で販売する2種類として「贅コクぷりん 米粉」と「贅コクぷりん さつまいも」を選んだのですね。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム はい、そうです。そこからは、開発メンバー17人が2チームに分かれ、全員でプリンを仕上げていきました。約1年間にわたって、プロのシェフから学ぶという貴重な経験ができました。下國シェフが私たちと一緒に作ってくれたことで「生きた教材」になったと、顧問の先生も感謝を述べていました。

GREEN編集部 4月17日には、高校の会議室で記者発表会が行われました。その時の様子を教えてもらえますか。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 最初に、赤穂悦生校長(写真左)から、「プロが加わったことで、高校生ブランドではなく、市場で売れるものが作れた」などのお話がありました。次に、来賓の今津寛介旭川市長(写真右)からは「おいしいたまご、旭川の農産物、高校生の夢、下國シェフがひとつになったこのプリンを応援したい」とエールがおくられました。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム その後、取り組みの経過と2種類のプリンを説明しました。下國シェフからも、あたたかく、力強いメッセージが寄せられ、感激しました。シェフの言葉にもあったように、このプリンを一人でも多くの方々に食べてもらいたいと思っています。

GREEN編集部 当日は、市長や校長、新聞やテレビのメディアの方々にもプリンを試食していただいたそうですね。反響はどうでしたか。

「贅コクぷりん 米粉」チーム 校長は、どちらも素材の味が出ていて、人気スイーツ店のプリンのようだとほめてくださいました。

「贅コクぷりん さつまいも」チーム 市長からは、「おいしいところと、みんなの夢がギュッと入っている」とうれしい言葉をいただきました。

GREEN編集部 5月30日から始まる「あさひかわ菓子博」まで、間近です。準備は万端ですか?

「贅コクぷりん 米粉」チーム はい。私たちは、5月31日と6月1日に午前10時から2種類のプリンを各100個、1個400円(税込)で販売します。
ホクレンブースでお客さまをお迎えし、ここに至るまでの気持ちを全部ぶつけたいです!

「贅コクぷりん さつまいも」チーム お近くにお越しの方はぜひお立ち寄りいただき、私たちがつくったプリンを召し上がってください!

GREEN編集部 晴れ舞台が、楽しみですね。今日はありがとうございました。