今回は、2024年11月に釧路短期大学で開催された「おむすびコンテスト」1位チームの皆さんにご登場いただきます。最初に、このコンテストがどのように行われたのか、説明をお願いできますか。

生活科学科食物栄養専攻の1、2年生が6チームに分かれ、若者がおいしいと思う「おむすび」を開発。学長をはじめとする方々の審査会、大学祭来場者の試食・投票を経て1位を決めていきました。北海道米を多くの人に食べてもらうことが大きな目的だったので、北海道米の味を知ることから始めようと、授業中に5種類の食味試験を行い、そこからレシピを作成しました。
5種類とは、「ゆめぴりか」、「ななつぼし」、「ふっくりんこ」、「えみまる」、「北海道スポーツ応援米」ですね?実際に食べ比べてみて、どのようなことを感じましたか。

はい、その5種類です。甘さ、粘り、かたさ、食感、見た目など、それぞれに違いがあることがよくわかりました。
みなさんは「お好み焼き風おむすび」を出品したそうですね。どこにポイントを置きましたか。
見た目のインパクトです。食べたいと思える見た目、SNSなどにアップしたくなるようなかわいらしさ、写真映えする彩りが重要だと考えました。そのうえで、見た目への期待を超える味にしようと、開発をスタートさせました。

レシピ開発まで約1週間しかなかったようですね。短期間で完成させるのは、大変だったのではないですか?
見た目がかわいいおむすびとは、どのようなことに気を配ればいいのかを考え、いろいろ調べもしました。また、かわいいおむすびは、簡単に作れたほうがいいと思い、火を使う工程がない組み立ても意識しました。
「お好み焼き風おむすび」の作り方を教えてください。
ボウルにご飯を入れ、お好み焼きソースを加えてムラなく混ぜます。そこに天かす、紅しょうが、キャベツ、かつおぶしを加えてよく混ぜ、おむすびを作ります。その上にマヨネーズ、かつおぶし、青のり、桜えびをトッピングして完成です!

ご飯でつくるお好み焼きですね!どの種類の北海道米を使ったのですか。
「えみまる」です。試食したとき、粒が大きく、粘りがなく、しっかりしたお米だと感じました。私たちは具材を先に決め、次にお米を選びました。「えみまる」はソースが一粒一粒によくからみ、具材とけんかしないお米でもありました。他の品種は白米としてはもちろんおいしいのですが、お好み焼き風にしたとき、味のばらつきがなく作ることができたのは「えみまる」でした。

「えみまる」は、田んぼに直接、種籾(たねもみ)をまく「直播栽培」に適した品種ですね。
はい。直播米であることは、このコンテストを後援してくださった北海道米販売拡大委員会「北海道米LOVE」のページで知りました。SDGsにあてはまる「環境に優しいお米」であるとの説明もあり、それも「えみまる」を使ってみる動機になりました。

「お好み焼き風おむすび」の評価、評判はどうでしたか。
審査会で、見た目についてお褒めの言葉をいただきました。私たちが重視したポイントだったので、とてもうれしかったです。その後オープンキャンパスで高校生にも試食してもらったのですが、『キャベツのシャキシャキ感がよかった』、『お米の味も感じられてとてもおいしかった』など味についてもうれしい感想をたくさんいただきました。

他にも考案したおむすびがあれば、教えてもらえますか。
見た目プラス北海道らしい要素という発想から、釧路市のソウルフード「スパカツ(スパゲティに、とんかつとミートソースがかかった料理)」のアレンジも考えました。天むすのように、えび天の代わりにとんかつをのせようとしたのですが、「食べにくそう」との結論になりました。また、栄養面に焦点を当て、鉄分を補給できるものも検討しましたが、若者が好みそうなおむすびというテーマに最も合っていたのは、「お好み焼き風おむすび」でした。
他のチームのおむすびで、すごいなぁと感心したものはありましたか。
2位の「ほたての贅沢おむすび」は栄養面にも配慮していて、しかもおいしく、とても勉強になりました。3位の「おむドッグ」は、オムライスを片手で食べられるようにしたもので、見た目もアイデアもすばらしかったです。

このコンテストを通して、北海道米や「食」、北海道の農業に対してどのような発見や気づきがありましたか。
お米の品種ごとに特徴や込められた思いがあること、料理や食材との相性を考えて選ぶことで、北海道米の魅力がさらに増すことなどを学びました。その一方で、お米づくりでも持続可能性や環境への配慮に工夫していることを知り、生産者さんの努力や苦労について知らないことがたくさんあると実感しました。
「おむすびコンテスト」はいろいろな実りがあったようですね。改めて、1位入賞おめでとうございます!今日はありがとうございました。