スイートコーン/JAめむろ
スイートコーンはデリケートで、一番手がかかる作物です。


「芽室町生食スイートコーン生産組合」組合長 北本 英彦さん〔JAめむろ〕
静岡県出身。東京農業大学を卒業後、2008年に芽室町に移住し就農。25年に組合長に就任。スイートコーンのほか小麦、てん菜、じゃがいも、枝豆、小豆、にんじんなどを栽培。
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スイートコーン/JAめむろ
「芽室町生食スイートコーン生産組合」組合長 北本 英彦さん〔JAめむろ〕
静岡県出身。東京農業大学を卒業後、2008年に芽室町に移住し就農。25年に組合長に就任。スイートコーンのほか小麦、てん菜、じゃがいも、枝豆、小豆、にんじんなどを栽培。
十勝平野の中央部に位置する芽室町は、全道でも有数の生産量を誇るスイートコーンの一大産地。その歴史も古く、JAめむろのスイートコーン生産者が所属し、北本さんが組合長を務める「芽室町生食スイートコーン生産組合」は、前身の「ハニー部会」が1973年に発足しています。
静岡県出身で、会社員として働いていた北本さんが同町で就農したのも、特産のスイートコーンがきっかけでした。「当時交際中の妻が、夏になると芽室町の実家でとれたスイートコーンを静岡に送ってくれたんです。職場に持っていくと大好評で、あっという間になくなりました。その光景を見て、スイートコーン作りに魅力を感じたことも就農の後押しになりました」。
北本さんの畑では、日の出前の朝4時から収穫が始まります。その理由は、品質の劣化を抑えるためだと北本さんは話します。「朝どりは、組合で決められたルールです。気温が上がると鮮度が一気に落ちるので、家族4人で必死にもいでいきます」。
加えて、同組合では品質を重視するため、1本の茎に2、3本の穂ができても、1番穂(最初になった実)だけの出荷にこだわっています。
「2番穂以降は、品質や食味が劣ります。生産者として、長年築いてきた産地への信頼を裏切らないためにも、そうした品を消費地に届けるわけにはいかないんです」と北本さんは力を込めます。出荷がかなわなかった多くの穂は、茎とともに肥料となり畑に還元されています。
収穫時期は、天候に大きく左右されるため、家族やJA、先輩たちの話を聞き、判断しています
同組合は、06年から市場の需要に応えて、甘みの強い『ゴールドラッシュ』という品種を生産しています。また、収穫したスイートコーンを真空状態で冷却し、鮮度を維持したまま道外へ空輸するほか、大学などと連携して、気象データなどを活用した収穫予測システムを導入。スイートコーンの品質向上や安定的な生産を実現しています。そうした取り組みが評価され、25年3月には、同組合が農業経営や技術の革新に意欲的に取り組む農家や団体を表彰する「日本農業賞」の「集団組織の部」で優秀賞に選ばれました。
「スイートコーンはほかの作物に比べると、種まきから収穫まで手間がかかる上、とてもデリケートです。それでも自分が作るからにはいいものを届けていきたいです」と北本さん。同JAの出荷時期は、例年7月下旬から8月下旬。夏本番の味は、もうすぐそこに来ています。
「芽室町は昼夜の寒暖差が大きいので、
おいしい『ゴールドラッシュ』が育ちます」と北本さん