実る!北海道の新顔作物

実る!北海道の新顔作物

産地いろいろ作り手の思いは一つ
さつまいも、にんにく、落花生を北海道の特産に

 実りの秋。北海道でも、各地の畑が収穫でにぎわっています。
 じゃがいも、玉ねぎを筆頭に、全国のファンからおいしいと太鼓判を押され、愛され続けている北海道の特産品。そこに仲間入りしようと、道内各地では、新顔作物の生産が熱気を帯びていることをご存じでしょうか。
 今回は、新顔作物の注目株であるさつまいも、にんにく、落花生の産地などの取り組みを特集します。その前にこうした動きが活発化している背景を説明させてください。

 北海道農業は、ふたつの大きな変化に直面しています。ひとつは、気象条件です。北海道も年々暖かくなり、これまで栽培が難しいとされていた作物が、栽培技術などの向上もあって、作れるようになってきました。
 もうひとつは、農業環境の変化です。生産者の高齢化や担い手不足が、逆に一戸当たりの耕地面積を拡大させています。少ない人数で、より広い面積に対応するには、さまざまな効率化が必要です。
 どの作物を作るのかにも、効率化が求められています。水田農業からの転換作物や畑作農業の輪作体系における第5、第6の作物の発掘、生産拡大がカギになると考えられ、新顔作物は「変化に向き合う、次代の品目」とも位置付けられます。
 
 生産者が種をまき、土と水、肥料、太陽の力を借り、丹精込めて作業することで、作物は恵みになります。しかし、北海道産というブランドにかなう農産物を全国の食卓へおいしいまま、たっぷり届けるには、産地や生産者を支える体制も整えなければなりません。
 今回は、さつまいもを例に、苗の確保、生産技術の確立、貯蔵・選果・出荷の環境整備、品種の研究などに、ホクレンの各部署がどのように携わっているかをまとめています。

 北海道はとにかく広いため、産地によって農業を受け継いできた歴史、主要作物や農業のスタイルが異なります。こうした多様さが北海道農業の底力、層の厚さを支えていることが、新顔作物へのチャレンジからもうかがえます。生産者もまた、日本の食料基地で営農する使命感、農業にかける情熱、次世代への責任など、多様な思いを持っています。
 産地の情熱を全国の期待へ。この特集でつないでいきます。