Q
就農したきっかけは?
その時に思っていたこと、苦労したことは?

父が倒れ離農を決意するも
スイートコーンで再出発
農業の勉強は何一つしないまま、18歳で就農しました。実家は米農家でしたがそれでは生活できず、母はあらゆる野菜を作っていました。30年ほど前に父が病で倒れて負債も抱え、離農を考えました。農地を全て酪農家に貸し、わずかな土地で作ったのがスイートコーン。その評判が良く、やめられなくなりスイートコーン専業農家として再出発しました。当時、おいしい品種が出たと言われて作ったのが『味来(みらい)』でした。

他農家での研修を経験し、
自発的に働くように
大学で農業を学ぶよりも、実践で学んだほうが役に立つという親の考えもあり、高校卒業後すぐに就農しました。当初は仕事に対して受け身で、言われたことしかやらなかったのですが、他地域の農家での長期研修や、地元の青年部活動が転機になり、積極的に農業に取り組むようになりました。スイートコーンしか作らない親父の農業経営が唯一無二だと気づいてからは、何気ない話でも耳を傾けるようになりました。
Q
次世代に受け継いでもらいたいことや、
先代から受け継いでいきたいことは?

失敗することを恐れずに、
上を向いてチャレンジを
限られた畑で『味来』を育てる中、常にこだわってきたことは、収穫日の翌日以降でもおいしく食べられるスイートコーン作りです。乳酸菌や酵素を活用した栽培方法を確立し、30年以上農業を行ってきました。どん底を経験したからこそ思うのは、周囲の人への感謝と、失敗は怖くないということ。人間は失敗して成長していくもの。今年がマイナスなら来年取り戻せばいい。自らの力でどんどん挑戦してほしいです。

ヤングコーンの産地化と、
冬期出荷を実現させたい
3年前から2番穂のヤングコーンの出荷を始めました。軌道に乗せることができれば、高騰する肥料代などにも対処できるので、青年部の仲間にも声をかけ、産地化を目指したいと考えています。昨年には瞬間冷凍機を導入し、冬期出荷の実現に向けてさまざまな課題に取り組んでいます。今後はSNSでの情報発信にも力を入れて、『味来』好きな人たちのためにも、おいしいスイートコーンを作り続けていきたいです。