Vol.29 農業に関する建物 編
写真館

2022年8月、札幌は市制100周年。
今回は、市内にある農業遺産ともいえる建物を、
北海道農業黎明期の様子と共にご紹介します。

vol.29
農業に関する建物 編

観光名所の時計台は、「旧札幌農学校演武場」が正式な名称です。
札幌農学校は北海道大学の前身で、1876年、時計台があるエリアに、
北海道開拓の指導者の育成を目的に開校しました。
この建物は、札幌農学校の初代教頭・クラーク博士の提言によって、
生徒の兵式訓練や入学式・卒業式などを行う中央講堂として建設されました。
【所在地】札幌市中央区北1条西2丁目



> 札幌市時計台(国指定重要文化財)

札幌農学校は、開校とほぼ同時に広大な農場を開き、
北海道開拓に適する作物や農機具の輸入と選定、
栽培や経営法の指導を行って北海道農法の構築に貢献しました。
「札幌農学校第2農場」には、写真の「牝牛舎」をはじめ、
道内最古と伝えられるサイロなど、農業に関するさまざまな建物があり、
それらは、明治期の優れた建築群としても評価されています。
【所在地】札幌市北区北18条西8丁目



> 札幌農学校第2農場(国指定重要文化財)※北海道大学へリンク

エドウィン・ダンは、開拓使が外国から招へいした指導者の一人。
百頭の牛と百頭の綿羊を連れて米国から来日し、1875年に来道。
牧畜指導、チーズ製造、羊や豚の飼育などを通して
北海道酪農の基盤を築いたことから、「北海道酪農の父」と呼ばれています。
ダンが1号牧舎を開いた場所に建つ「エドウィン・ダン記念館」には、
ダンの業績や生活の様子、開拓の記録が展示されています。
※「北海道フードマイスター検定 第9回上級試験セミナーテキスト畜産編」より
【所在地】札幌市南区真駒内泉町1丁目



> エドウィン・ダン記念館(国登録有形文化財)



札幌市内に限らず、道内各地には、
農業の歴史を伝える建物が数多くあります。
そうした視点で北海道をみつめてみませんか?
新たな発見、魅力と出会えるかもしれません。