「日本のお米の品種は、国に品種登録されているものが800品種以上。そのうち主食用で作られているものは200品種以上あるといわれています。私たちが普段目にしているのはほんの一部ですが、実際にたくさんの品種が生まれたことで、消費者のお米に対する興味も広がってきていると感じます」
そう話すのは、1905（明治38）年創業の米専門店『山田屋本店』の六代目で、五つ星お米マイスターの資格を持つ、秋沢毬衣さん。食感や甘みなど人によって好みは異なりますが、最近の売れ筋について
「〝もちもち〟ブームの火付け役ともいえる『ゆめぴりか』は、年配の方を中心に根強い人気があります。一方で、さっぱりとした味わいや、 粒感がしっかりしているものが最近注目されていて、20〜30代男性を中心に〝しゃっきり系〟が支持されています」と分析しています。
同店では、北海道産から熊本県産まで、白米・玄米商品を各20品種ほど販売。そのうち北海道米は『ゆめぴりか』をはじめ、『ななつぼし』『おぼろづき』『ゆきひかり』の４品種を取り扱っています。
「お客様からは、〝北海道米おいしいわよね〟と評判です。実際のところ、北海道米のおいしさの進化には私自身も驚かされています。ゆめぴりかという確固としたブランドがありながら、開拓者精神で、食味向上にチャレンジし続けているのが北海道米の強みだと感じます」

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  「田んぼの状況や米作りの背景まで、責任を持って紹介できるのがうちの強み。お米マイスターの資格を持つスタッフが、お客様の生活スタイルに合う“ライス・スタイル”を提案します」と秋沢さん。

秋沢さんによると、これまでの一家庭一銘柄といった買い方から、料理に合わせて銘柄を使い分ける人や、精米時に、五分、七分といった「分づき米」で味わいの変化を求める人など、米選びの多様化が進んでいるといいます。
「例えばななつぼしは、ゆめぴりかやおぼろづきに比べるとあっさりとした味わいなので、勢いよくご飯をかきこむ丼物に相性がいい。おぼろづきは、五分づきにすると香りがより芳醇になります」と秋沢さんは付け加えます。
最後に、おいしく食べるために肝心な米の炊き方について、秋沢さんにアドバイスをもらいました。
「お米は体積ではなく、重さで計ると失敗がありません。カップ計量の場合、米をすくった後、カップの底をトントンとたたくとかさが減ることがあります。その点重さなら誤差が少なく、毎回均一に炊き上がります」
水の量は、1合（約150g）に対し、1.45倍が目安だそう。「毎日計るのは面倒だと思うので、特別な日や、いいお米を買った時に試していただけたら。品種を食べ比べする際にも、味の違いがより分かりやすくなるのでおすすめです」

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  店舗は京王線調布駅東口から徒歩約5分

ゆめぴりか
白いご飯で味わうのがおすすめ。もちもちとした食感と甘みの強さが、ハンバーグなど味付けの濃いお肉料理とマッチします。冷めても粘りがあるので、お弁当にもいいと若い女性にも好評です。

ななつぼし
味と食感のバランスがよく、毎日食べても飽きがこないおいしさが特徴。朝ご飯や、牛丼、天丼などモリモリとご飯をかきこむ丼物にぴったり。買い求めやすい価格も魅力です。

おぼろづき
もちもちとしてうま味があり、固定ファンが多いです。香りも豊かなので、和食によく合います。土鍋ご飯にもおすすめ。五分づき、七分づきなど精米度合いでも味わいの違いを楽しめます。