Q
就農したきっかけは?
その時に思っていたこと、苦労したことは?
すいかが売れない悔しさで
ブランドのおいしさを追求
公務員の道も頭をよぎりましたが、好きなバスケットボールに打ち込みたくて、18歳で家業を継ぎました。29歳で結婚するまで、農作業後は練習に行き、土日は大会に出場。寝坊しては、よく怒られました。1980年代は、お盆を過ぎるとすいかが売れず18キロ袋100円の苦渋をなめました。誰もが買いたくなるおいしいすいかを作ろうと奮起して、〈マドンナ西瓜〉の栽培を始めました。
天候に振り回され、
うまくいかない作業に葛藤
高校、大学では農業を専攻しましたが、農家になる強い意志はそれほどありませんでした。異業種を経験して実家に帰る選択肢もありましたが、始めるなら早いほうがいいと思い、卒業後に就農しました。当時は、言われたことだけをやればいいと思いながらも、父の考えに納得がいかずぶつかっていました。作業の辛さよりも、天候で思うように作業が進まず、ジレンマを感じることのほうが多かったです。
Q
次世代に受け継いでもらいたいことや、
先代から受け継いでいきたいことは?
作物を見る力を養うことと
地域との関わりを大切に
40年以上作物を作ってきて、成功したと感じる年はほとんどありません。息子には失敗してほしくないと思うけれど、もう親がレールを引けないので、失敗しながら、自分の正解を見つけてほしい。そのためにも見る力を養って、自分の目で作物を見ることを忘れずに。そうは言っても、作物を作るだけが農家の仕事ではないので、生きていくためにも、地域の人との関わりを大事にしてほしいです。
経営基盤を強化して
小さくても強い農家に
父からは作物を見ろと口酸っぱく言われているので、そこは大事にしたい。作物をよく観察して、今何が必要なのか自分の力で判断できるようになりたいです。自分が目指すのは、小さくても強い農家。安定した品質で、安定した収量を確保するのは大前提。米や小麦など機械化できる作物を基盤に、その上で、高単価の作物や挑戦したい作物を作り、経営基盤を強化していきたいと考えています。