Vol.29
北海道幌加内高等学校
そば局の
みなさん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

北海道幌加内高等学校

北海道幌加内高等学校 そば局のみなさん

1954年に創立された町立昼間定時制の農業高校。町の地域特産品「そば」を学校設定科目に位置付け、生徒は必修科目「そば」を中心に栽培管理、加工、製造、調理、販売、店舗運営までを一貫して学び、さらに、(一社)全麺協主催「そば段位認定制度(初段・二段)」の段位認定を目指します。そば局の局員は、「全国高校生そば打ち選手権大会」に出場し、団体戦で三連覇中の実力を誇っています。

北海道幌加内高等学校
074-0495 幌加内町字平和
https://horokou.ed.jp/
TEL:0165-35-2405

  • そば局のみなさん

    そば局のみなさん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 こんにちは。まず、自己紹介からお願いします。

そば局のみなさん はい!よろしくお願いします。局長の髙松、副局長の林、局員の中村、長谷川、渡邉です。林は2年生で、他4人は3年生です。そば道段位は、林と中村が初段位、他3人は二段位です。

GREEN編集部 そば道段位とは、どのように認定されるのですか?

そば局のみなさん (一社)全麺協が、そば打ちを職業としない人を対象に認定するもので、初段位から八段位まであります。そば打ち技能の習熟度、そばに対する取組み姿勢や態度、そばに関する知識など、審査範囲は広く、そばを打つときの立ち姿や、準備から後片付けまでもチェックされます。幌加内高校の生徒は、全員が受験しなければならないんです。

GREEN編集部 そばの作付面積、生産量ともに日本一を誇る、幌加内町の高校ならではの取り組みですね。聞くところによると、幌加内高校には「そば」という科目があり、しかも必修なんだそうですね。

そば局のみなさん はい。校内の畑で自分たちがそばを栽培し、製粉・そば打ちまでを授業で行います。

GREEN編集部 そばの栽培や製粉作業では、どのようなことに気を付けなければいけないんですか。

そば局のみなさん 栽培では、水はけを良くすること、病害虫に注意すること。製粉では、そば本来の香りを消さないように、適度な温度や湿度を保つこと、また、あまり熱をかけないようにゆっくりと挽くことです。

GREEN編集部 自分たちで育てたそばを粉にして打つというのは、思い入れもひとしおでしょうね。ところで、みなさんは、そば打ちは高校で初めて経験したんですか?

そば局のみなさん 小学生の時にそば教室で習った人もいれば、高校で初めて打った人もいます。そば打ちは、難しいけれど面白いというのが、局員に共通した意見です。

GREEN編集部 みなさんは、授業でひと通りのことを学びながらも、もっとそばを極めたいと、部活動のそば局に入ったんですね。

そば局のみなさん 「授業以外でもそばを打ちたい」、「上手に打てるようになって三段位を取りたい」という人もいれば、局長のように「幌加内高校に行くなら、絶対にそば局に入ると決めていた」という人もいます(笑)。顧問は厳しい中にも優しさのある山田先生で、そばに関しては局員全員、頭が上がりません(笑)。

GREEN編集部 そば局の活動の様子を教えてくれますか。

そば局のみなさん 高段位を取得されている町の方が指導に来てくださっています。写真の左手に写っている西村さんは、幌加内高校の卒業生で、在学中にそば局が発足し、そば局のメンバーとして全国大会にも出場。四段位をお持ちで、現在はそば関連の会社に勤務されています。そば局は人数が少ないので、うまくいかないことがあっても、どうすれば良くなるかなどを細かく教えてもらえます。また、部活動は授業よりも時間に余裕があるので、苦手な部分を重点的に練習できる良さもあります。

GREEN編集部 そば局のみなさんの目標はなんですか?

そば局のみなさん 「全国高校生そば打ち選手権大会」団体戦の四連覇です。今年は3年ぶりに開催される予定なので、放課後や土日はそば打ちの特訓中です(笑)。「きれいなそばを打てるようになりたい」、「そばの切り幅を揃えたい」、「全工程の流れを良くしたい」、「水回しの時間を縮めたい」など、一人ひとり課題は見えています。水回しとは、そば粉全体に水が行き渡るように、指先で混ぜ合わせる作業のことで、そば打ちの最重要ポイントとも言われています。

GREEN編集部 みなさんが本格的な指導を受け、真剣にそばに取り組んでいることが伝わってきます。

そば局のみなさん 例年、7月末に「全国高校生そば打ち選手権大会」のメンバーが決定するので、夏休みの終盤にそのメンバーで「そば打ち合宿」を行います。ふだんは、一日に2回以上そばを打てる機会がないので、局員にとっては最高の合宿です。幌加内高校は団体戦で三連覇中ですから、当然ながら目指すは四連覇です!ちなみに、下の写真は先輩たちの代のものです。私たちもこの優勝旗を持ち帰りたいです。

GREEN編集部 町の指導してくださる方々も期待していますね!

そば局のみなさん はい、期待に応えたいです。地元のそば打ちの指導者や生産者のみなさんからは、本当にたくさんのことを教えてもらっています。「そばは丁寧に打てば、その分おいしくなる」、「うまくなりたいなら、とにかく打つしかない」といった、そば打ちに関することだけでなく、「焦ると何事もうまくいかない」、「地道な作業はおいしくなる秘訣」など、さまざまなことに通じる言葉も教わり、とても勉強になっています。

GREEN編集部 町の方々にとっては、幌加内のそばは何よりの自慢です。みなさん、幌加内のそばのアピールをお願いします。

そば局のみなさん 幌加内町生まれの品種「ほろみのり」は、甘味があり、クセがなく、上品な味が特徴です。さらに、コシがあり、食べ応えもあるので、シンプルにもりそば、ざるそばで召し上がってほしいと思います。

GREEN編集部 大会に向けて忙しくなりそうですが、からだに気を付けて四連覇を成し遂げてください。ありがとうございました。