北海道旭川農業高等学校 能登 亮太さん
北海道旭川農業高等学校は、農業科学科と食品科学科、森林科学科、生活科学科からなる農業高校。能登さんをはじめとする農業科学科の生徒たちは、環境に優しい農業を念頭に置いて、作物栽培や家畜の飼育などに関する知識と技術を学んでいます。
北海道旭川農業高等学校
079-8431 旭川市永山町14丁目153番地
http://www.kyokuno.hokkaido-c.ed.jp/
TEL:0166-48-2887
北海道旭川農業高等学校は、農業科学科と食品科学科、森林科学科、生活科学科からなる農業高校。能登さんをはじめとする農業科学科の生徒たちは、環境に優しい農業を念頭に置いて、作物栽培や家畜の飼育などに関する知識と技術を学んでいます。
北海道旭川農業高等学校
079-8431 旭川市永山町14丁目153番地
http://www.kyokuno.hokkaido-c.ed.jp/
TEL:0166-48-2887
能登さん
GREEN編集室
能登さんは、絵本の里として知られる剣淵(けんぶち)町に住んでいて、旭川へ通学しているそうですね。片道1時間くらいですか?
はい、そうです。我が家は畑作農家で、馬鈴しょ、かぼちゃ、豆類を作っています。数年前、父が農作業中に倒れまして。幸いにも現在は農作業を行えるほど回復したのですが、還暦を過ぎていますから、「父の仕事を楽にできないか!」との想いから、旭川農業高等学校に進学しました。この写真、父です。
そうでしたか(>_<) お父さんの仕事をサポートするには、農業分野で急速に進化している機械化やロボット化が有効な気がしますね。
農業科学科は作物の栽培も行いますが、農業の未来を見据えた学びもあり、1年生の総合実習で行われたスマート農業講演会で、自動化・ロボット化の現状と展望を知ることができました。また、2年生の授業で、北海道大学農学研究院の先生から無人トラクタの農道移動と耕耘(こううん)作業を見せていただいた時は、これは今後に役立つと思い、家に帰ってすぐに父に話しました。
お父さんはなんて?
「無人で機械が作業してくれるのは便利だけど、うちみたいな土地面積11haの小規模農家には値段が高過ぎる」と。その言葉を聞いて、低コストで作業負担を軽減できる機械を作るにはどうしたらいいかと、考えるようになりました。
11haって、東京ドームが2個すっぽり入るくらいの広さですよね…。機械の開発は、農業高校では難しいのではないですか?
旭川農業高等学校では、2,3年生からは少人数の専攻班に分かれて、自ら決めたテーマをじっくり学ぶことができます。私は、先輩たちがすでにラジコンボート除草剤散布機の製作に成功していた畑作機械班に入り、この機械を自動化させる研究を始めることにしました。下の写真は、班の仲間と学ぶ実習機械室です。
なんだか、ワクワクしてきました。それで、それで?
どこからどう手を付けたらいいのかわからず、先輩そして顧問の先生に相談しました。すると先生は、旭川工業高等専門学校(旭川高専)に掛け合ってくださり、旭川高専からも協力の快諾を得られ、共同研究の道が開けたんです。
熱意が通じたんですね! ヽ(=´▽`=)ノ
当初は、専門用語はわからない、仕様書も書けないなどで、挫折しそうになりました。それを救ってくれたのが、高校でのロボティクス学習でした。プログラミングの基礎やセンサーの働きを学ぶことで、ムリだとあきらめかけていた研究に希望を持てるようになったんです。そして、同級生二人と一緒に、ラジコンボートの自動化を想定した走行プログラムを、開発することができたんです!
旭川高専の先生たちも、喜ばれたでしょう。
はい。その後、旭川高専での開発や試験が順調に進みまして、実は今年の秋頃には、畑作用の除草作業や荷物の運搬など、農業者の作業負担を軽減することを目的にしたアシストカーが完成する予定なんです。
そこまで一気に進んだんですか。\(◎o◎)/
アシストカーの試験運転は、我が家の畑で行う予定で、今から楽しみです。
それはなにより、お父さんが楽しみにしているでしょう。
そうだと思います(^^ゞ 私は将来、剣淵町で父の跡を継ぎます。小規模農家でも機械化を進めることができれば、若手農業者や新規就農者の増加にもつながるでしょうから、低コストスマート農業をより進化させていきたいです。そして、父や地域、全道、全国の農家を手助けできる後継者になれればと。
たのもしい!能登さんなら、できますよ。期待しています。
ありがとうございます。農業は、収穫時にやりがいや達成感をダイレクトに感じられるところが魅力です。だから父も一生懸命、仕事をしてきたんだと思います。でも私が跡を継いだら、少し休ませてあげたい。とにかくそれだけです。