北海道壮瞥(そうべつ)高等学校 三矢 陽亮さん
北海道壮瞥高等学校は、70年以上の歴史を持ち、胆振(いぶり)管内では唯一の農業高校です。地域農業科で学ぶ生徒たちは学校農場を活用して野菜や草花、地域の特色を活かしたりんごなどを栽培。丹精込めた作物を使って加工品の製造、販売も学んでいます。
北海道壮瞥高等学校
052-0101 壮瞥町字滝之町235番地13
https://sites.google.com/sobetsu.jp/soukou/
TEL:0142-66-2456
北海道壮瞥高等学校は、70年以上の歴史を持ち、胆振(いぶり)管内では唯一の農業高校です。地域農業科で学ぶ生徒たちは学校農場を活用して野菜や草花、地域の特色を活かしたりんごなどを栽培。丹精込めた作物を使って加工品の製造、販売も学んでいます。
北海道壮瞥高等学校
052-0101 壮瞥町字滝之町235番地13
https://sites.google.com/sobetsu.jp/soukou/
TEL:0142-66-2456
三矢さん
GREEN編集室
三矢さん、こんにちは。最初に壮瞥町の紹介をお願いします。
壮瞥町はフルーツの郷(さと)で、いまの時期はいちご、もう少しするとさくらんぼ、秋には町の顔ともいえるりんごが実ります。
壮瞥高等学校の農業の授業では、1年次は農業の基本・基礎を学び、2、3年次には専攻班に分かれたプロジェクト活動も行うとか。専攻班は、三矢さんが選んだ果樹班と、生産班、加工班、花育班があると聞きました。
はい、そうです。果樹班は、「不要なものを有効に~地域の課題を解決したい~」をテーマに、町で盛んなりんご栽培時に発生する老木、倒木、剪定枝を炭にすることで有効活用を図る活動を行っています。メンバーは2、3年生が4人ずつの計8人。仲良くやっています(^_^)
炭づくりの話は後で詳しく聞くとして、校内には果樹園があるそうですね。
はい。りんごの木は約200本あり、酸味控えめで甘みが強い「つがる姫」や「ひろさきふじ」、ジューシーで蜜が入りやすい「紅将軍」、味のバランスの良い「ふじ」(写真)、甘みが強い「ぐんま名月」を栽培しています。
三矢さんは、どの品種が好きなんですか?
よく聞かれて困るんですが、私が特に好きなのは「紅将軍」。真っ赤になるところがりんごらしいなと思います。
いま、果樹園のりんごはどんな様子ですか。
摘果(てきか)作業の真っ最中です。りんごは、放っておくと、1カ所に4個も5個もかたまって実を付けてしまいます。そうなると、大きさや味が劣ってしまうので、1個だけ残して、それ以外は摘むんです(写真は「つがる姫」)。収穫は9月頃から11月までで、果樹班も総出で収穫します。
そろそろ炭の話に。炭はどのように作るものなんですか。
炭作りには、町内の農家さんから分けていただいた不用な木を使います。焼却炉を改造した円筒形の窯を寝かせ、そこに木を詰めて約2日間焼くんです。底まで木をびっしり詰め込むと、空気の通りが悪くなり、うまく燃焼させることができず、炭になりません。また、隙間が多くなると、燃焼が強くなり、できる炭の量が減ってしまいます。
判断が難しいところですね。どれくらいの木から、どれくらいの量の炭ができるんですか。
約200キロの木から、炭が約40キロできあがります。学校の果樹園だけでは、そこまで多くの廃木は出ないため、町内の果樹農家の方から、廃木を提供してもらっています。
不用な木って、そんなに大量なんですか!それは捨ててしまうにはもったいないですよねφ(..)
町全体では、りんご栽培だけで不用な木が年間約50トンも出るそうなので、これを製品にできれば、農家さんも喜ぶのではないかと思います。
完成した炭は販売するんですか?
学校内のアンテナショップや、学校の販売行事、壮瞥町最大のイベント「そうべつ りんごまつり」などで販売しています。壮瞥高等学校では5月に花や野菜の苗を生徒全員で販売する「朝市」、秋には「収穫祭」という催しを行っていて、ここでのさまざまな接客経験が炭のパッケージを考える時などに役に立ってくるような気がします。
地域の皆さんと、いろいろなかたちでつながっているんですね。
特に農家さんから、いろいろなお話を聞かせていただいています。私の両親は農家ではないので、初めて知ることばかりで、すごく勉強になります。たくさんの人と協力して、地元の役に立つことができればと思います。
将来の進路は?
具体的にはまだ決めていませんが、就農希望です。体を動かして作物を栽培した達成感は、ほんとうに気持ちいいですから(^_^)V
果樹班の皆さんと一緒にさまざまな経験をして、三矢さんの中に栄養をたっぷり蓄えてくださいねp(^^)q