こんにちは。川西さんは、同級生の庄子乃杏さんと組んで、「ハイスクールパティシエロワイヤル2021」に応募し、最優秀賞を受賞したそうですね。おめでとうございます!
ありがとうございます。私の名前の「杏・あん」と、庄子さんの名前の「乃杏・のあん」で「annon(アンノン)」というチーム名を付けて応募しました。下の写真が審査会の時のもので、左が「あん」で、右が「のあん」です。二人とも緊張気味ですね(苦笑)。
写真の左手前にあるスイーツが、「annon」が考案したものですね?
はい、そうです。アップの写真で説明すると…まず、名前が「クリームたっぷり!ハスカップのまんまるクッキーシュー」です。ポイントは、生地の中に生クリームとカスタードを合わせたクリームと、真狩高校の圃場でとれたハスカップを使用したクリームチーズ入りのクリームをマーブル模様にして詰めたところです。
色彩も見た目もきれい。映えるスイーツですね!
ハスカップの甘酸っぱさが引き立つように、マーブルにしました。ハスカップは種が入っているので、乃杏と一緒に考えて、ペーストにしてクリームに合わせました。真狩高校産のハスカップを多くの人に味わってもらえたらという気持ちもありました。
真狩高校の野菜製菓コースでの学びは、レベルが高そうですね。
私には、父の育てた野菜を使ったスイーツを開発して、たくさんの人に届けたいという思いがあって、それをかなえるために真狩高校に進学し、このコースを選択しました。
たとえば、どんな野菜を使ったスイーツですか。
雪下にんじんを使ったスイーツを一番作りたいです。雪下にんじんは収穫が手作業で大変なうえ、ロスも多い野菜です。私は、父の育てた野菜を少しでも多くの方に食べてほしいですし、スイーツにすることでにんじんが苦手な方でも食べられるようになってくれたらな、と思っています。
そうした願いを胸に学び続けたんですね。2年生から始まる野菜製菓コースの勉強内容を簡単に教えてもらえますか。
2年生では、お菓子の基礎となる生菓子・焼き菓子・製パンの基礎的な知識、技術を身につけます。3年生になると、座学では国家資格である「製菓衛生師」の試験に向けた勉強が始まり、野菜を取り入れたスイーツ作りも加わります。難しい授業もありますが、やりがいがあります。
野菜の栽培も行うんですか。
はい。自分たちでも野菜を育てます。校内の圃場ではいろいろな野菜などを栽培していて、私はじゃがいも、大豆、落花生を使ったスイーツも作ったことがあります。
そのスイーツの写真、ありますか。
これです。じゃがいものテリーヌの上に、雪下にんじんのジャムと白玉、落花生の焼き菓子をトッピングした、豆乳チーズテリーヌです。砂糖はグラニュ糖ではなく、三温糖を使うことで、野菜にコクを出し、素材の風味を生かせるように工夫しました。
自分や同級生、後輩たちが作った野菜を使ってスイーツを作るなんて、素敵ですよね。
そう思います。真狩高校に入って、スイーツだけではなく、素材である作物や野菜を栽培していくうちに、農業の楽しさに気づかされました。これまでは、朝早くから夜遅くまで仕事をする父の姿を見て、「農業は大変そう」と思っていたのですが、今では父の気持ちを理解できるようになりました。
その言葉を聞いたら、お父さん、お母さんはとても喜ばれると思いますよ。
そうだとうれしいですね。私の家族も紹介させてください。にんじんの畑をバックに撮ってみました(笑)。
仲良しファミリーの雰囲気ですね!そういえば、夏休みには、札幌市内にある専門学校での勉強もあったようですね。
はい。洋菓子・和菓子・製パンなどの実習や、食品学・栄養学などの座学があり、これも高校の授業の一環です。さまざまな知識と技術を身につけることができました。多くの方々との協力によって、入学時より自分自身が成長できたと感じています。
そして、なんと、川西さんは、農業クラブの全道意見発表大会で分野Ⅱ類の最優秀賞を獲得し、10月27日に兵庫県で行われる全国大会に北海道代表として出場することになったそうですね。おめでとうございます!
ありがとうございます。「スイーツから生まれた私の夢」というタイトルで、先ほどもお話しました父が作った雪下にんじんでスイーツを作りたいという気持ちを発表しました。全国大会では、より多くの方に、父の素晴らしさ、家族の支え、仲間との絆、先生方や地域の方への感謝をしっかり表現し、伝えていきたいです。
そうですね!がんばってきてください。いいニュースを待っています!今日はどうもありがとうございました。