白い滴、
品質一路の旅
Vol.1

はるばる来たぜ、食卓へはるばる来たぜ、食卓へ

白い滴、品質一路の旅Vol.1

北海道で暮らす乳牛から搾った白い滴がたどる、ミルクロード。道内指折りの酪農地帯・道東で、そのルートをルポしました。
3回連載の1回目は、摩周湖や屈斜路湖を抱えるJA摩周湖(弟子屈町)で、4代続く澤入(さわいり)牧場を訪ねました。

釧路管内でも特に高品質な
生乳を生産する澤入牧場へ

弟子屈町を含む釧路管内は、全道の約14%、全国の約7%の生乳を生産しています。澤入牧場は、量だけではなく質の良さでも知られるこの地区でも、特に高品質な乳を生産すると評判です。冬晴れの午前9時前、噂の澤入牧場には、酪農家が保管している生乳を集めて運ぶ集乳車が到着していました。

約85頭の親牛から
1日2トンの生乳を搾乳

「おはようございまーす」。扉を開けると、「ほーい」という声とともに4代目の澤入貴幸さんが登場! 「うちでは、約85頭の親牛から1日2トンの生乳を搾乳しています。あ、生乳って、搾乳したままの乳のことね。いま来ている集乳車は、一日の内に15軒くらいの酪農家をまわってるはずだよ」。

生乳は外気にふれることなく
ミルカーからクーラーへ

ここ生乳処理室で目を引くのは、最大約6トンの生乳を貯蔵できる大きなタンク。これはバルククーラーと呼ばれ、冷却機能を備えているそうです。「搾乳は、向こう側の牛舎でミルカーという機械を使って行い、搾りたての生乳はミルカー直結の専用管を通って、このクーラーに注入されるんだ。この先も、生乳は外気に一切ふれることなく運ばれるところがポイントだからしっかりおさえてね(笑)」。

集乳のたびに生乳を検査
それもドライバーの仕事

「そろそろ、始めますよ」と、さっそうと現れたのは、集乳車のドライバー歴12年の前澤洋さん。集乳車から伸びるホースを手際よくバルククーラーに繋いでいきます。なるほど、生乳はホースを通って車に積まれるため、外気にふれないんですね。「受け入れ前に検査いきます」と前澤さん。牧場の生乳の第一次検査を行うための技術研修の参加も義務付けられているそうです。

保管温度を確かめた後、
匂いや色をチェック

実際の検査の内容は、写真を追ってご説明しましょう。まず、バルククーラーの冷蔵機能が正常に作動していることを確かめ、次に保管温度をチェック。バルククーラーの上部のふたを開け、匂いや色に異常がないかを慎重にかぎ分け、見極めます。

生乳を口に含んで
香りや甘い・苦いまで検査

専用カップに注いだ生乳を口に含み、味、香り、甘い・苦いなどを検査。専用シャーレに生乳をとり、アルコールを混ぜ合わせます。凝固がなければOK!

わずかでも不合格の生乳が混ざれば、
集乳車の生乳はすべて廃棄

前澤さんが集乳する量は、一日平均30トン。その中に、わずかでも不合格の生乳が混ざれば、すべてが廃棄に。検査は、そうならないための備えです。さらに、集乳した生乳の追跡をできるようにと、検査合格後の生乳は、牧場指定の番号を記した容器にサンプルとして保管され、集乳車に積み込まれます。写真の0818は澤入牧場の番号です。

検査合格を確かめると、
集乳車へ受け入れ

もちろん、この日の検査はすべて合格!前澤さんはサンプルを採取し、澤入牧場の生乳を集乳車に受け入れる作業を始めました。ここまでの様子を見届けた澤入さんは、前澤さんに「お疲れ様でした」と声を掛けると、すぐに牛舎の方へ。受け入れを完了すると、前澤さんはすぐに集乳車に乗り込み、次の牧場へ。取材陣もあわてて車に乗り込み、集乳車を追いかけたのでした。

>vol.2は、集乳車の受け入れ先を訪ねます。