カサブタの
ウンチク。

森崎 博之のGREENエッセイ

カサブタのウンチク。

カサブタのウンチク。 カサブタのウンチク。

うちでたまにしか見ないメロンが食卓に上がるとき。
家族は甘い果汁溢れるメロンの果肉にスプーンを入れる直前に、
いつも私のウンチクを聞かされるのです。
「メロンは成長過程で、そのかたち以上に中身がどんどん大きくなっていく。
まるで風船のよう。パンパンに膨れたメロンはどうなる?
風船と違い、割れずに表面がひび割れていくんだ。
でもメロンはそんなもんじゃ倒れない。
ガッツ溢れるメロンが、自力で割れ目をカサブタにして、
できたのがこの網目だ。メロンに敬意を示そう。
それでは生産者さんに感謝して、いただきます!」
うっとうしそうに曇っていた家族の顔を一気にキラキラ晴れ渡らせる悦びの美味しさ、
それこそがメロンの魅力です。