りんごの収穫風景/JAよいち(余市町)

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りんごの収穫風景/JAよいち(余市町)

【 60 秒 】

北海道の農業の「今」を動画で伝える「北海道NOW」。今回は、りんごの収穫風景をお届けします。秋が深まりゆく9月中旬から11月上旬にかけて行われるりんごの収穫。秋晴れの空の下で真っ赤に色づいた、かわいらしいりんごをご覧ください。

  • 北海道の一大産地で、りんごの収穫最盛期
    JAよいちのある余市町は、海と山に囲まれた果物の栽培が盛んなまちです。町内では、春のいちごに始まり、さくらんぼ、プルーン、秋の梨やぶどう、晩秋のりんごまで、途切れることなく果物が実ります。特にりんごは北海道の一大産地で、撮影に訪れた10月中旬は、収穫が最盛期を迎えていました。収穫は例年、9月の中旬から始まり、雪が積もる前の11月10日前後まで続き、「余市町りんご生産出荷組合」では、約60戸の生産者が、年間約1,100tを出荷しています。
  • 秋の深まりとともに入れ替わる、多彩な品種
    JAよいちが生産するりんごは20品種ほど。収穫時期が重ならないよう、収穫適期の異なる品種をいくつも栽培しています。「最初に収穫が始まるのは『つがる』、その後は『レッドゴールド』『ひめかみ』『昴林(こうりん)』『王林』などが順に来て、最後は『ふじ』という流れです。1軒で十数種類を栽培する農家が多いですね」と話すのは、JAよいちの副組合長も務める生産者の坂本政隆さん。坂本さんの果樹園では約3,000本、13品種ほどが栽培されています。
  • 傷つけないよう、取り扱いはやさしく
    りんごの収穫はすべて手作業で行われます。指でヘタを押さえながら、りんごのお尻を空に向けるようにやさしく持ちあげると、ヘタごときれいに収穫できます。「食べる部分ではありませんが、ヘタがないと傷みやすくなって価値が下がる。ヘタも大事なんですよ」と坂本さん。一つひとつ、丁寧にもぎ取りながら、手持ちのかごや袋に詰めて行き、いっぱいになったところでコンテナに詰め替えます。どの工程でもりんごに傷をつけないよう、細心の注意が払われます。
  • 水はけと日当たりの良い傾斜地で栽培
    果樹栽培は水はけの良い土地が向いているため、JAよいちの多くの生産者は、傾斜を利用して果樹を植えています。1本1本の木にしっかり太陽の光が届くのも、傾斜地の利点です。しかし、斜面を上り下りしながらの農作業は重労働。特に、ずっしりとしたりんごの収穫は最も骨が折れるといいます。りんごの収穫には、脚立も利用しますが、翌年に向けた枝の剪定は、12月頃に降り積もった雪を踏み台のように利用して行うそうです。
  • 今年のりんごは、色づきも味わいも上々
    りんごは5月中旬に白くて小さな花を咲かせます。6月から7月にかけて実をつけると、未熟なものや、密集し過ぎている部分の実を摘み取る「摘果」が行われます。8月には2回目の「摘果」を実施。昼夜の寒暖差が大きくなる8月中旬以降、徐々に実が赤く色づき始めます。「暑いばかりでは、りんごは赤くならないし甘味ものらない。その点、北海道は朝晩しっかり冷え込むので、色づきと味わいもいいですね」と坂本さん。今年の夏は高温少雨でしたが、「りんごにとっては悪くない天候。今年の出来は合格点です」と太鼓判を押してくれました。
    次回は、JAよいちの選果場からりんごの選果風景をお届けします。