Q
就農したきっかけは?
その時に思っていたこと、苦労したことは?
苦しい経営を強いられる中
意地で乗り切った
幼少期に会社員だった父が酪農を始め、後を継ぐ強い意志はなかったのですが、生き物が好きだったので、帯広畜産大学に進学しました。就農時は、今以上に酪農情勢が厳しい時代。父は搾乳の合間を縫ってよその牧場でも働き、母は野菜を作って家計をまかなっていました。会社員になることを母は望んでいましたが、酪農をやるからには、簡単にやめたくないという意地がありました。
理想を求めて大学に進学
結果が出ない日々に苦労
小さい頃から牛が好きで、休みのたびに祖父(徳昭さんの父)の牧場に行くのが楽しみでした。酪農家になろうと決めた小学校時代に、酪農業界の後継者不足の問題などを知り、自分に何ができるかも考えるようになりました。自分の理想の酪農経営を追求するため、農業高校卒業後は北海道大学に進学し、経済を学びました。就農当時は試行錯誤の連続で、結果が出たと感じるまでの5年間は苦労しました。
Q
次世代に受け継いでもらいたいことや、
先代から受け継いでいきたいことは?
土、草、牛の循環を守り、
先人への感謝を忘れずに
酪農は一言で言うと、いい土、いい草、いい牛の循環です。3つのサイクルがうまく噛み合うまでには、多くの時間がかかります。マニュアル通りにはいかないので、自分で工夫を重ねて、結果を出すしかないものです。この地域は元々が谷地で、先人が開拓したおかげで酪農ができています。積み上げてきたものを失うことは、簡単です。甥っ子には、先人への感謝を忘れないでほしいです。
酪農の魅力を広め、
叔父の酪農を極めたい
就農したい人を増やすために、3年前から全国の小中学校に漫画を寄贈する活動と、YouTube配信を始めました。叔父が確立した小規模放牧酪農を極めて、新規就農者の背中を押せる存在になりたいです。今は生乳の需要減で乳量を減らさなければならず苦しい状況ですが、逆に若牛に入れ替える好機と捉えることもできます。ピンチの時でも、希望を持って乗り切る方法は必ずあると思っています。