こんにちは。今回は、みなさんが参加している「花あるあるプロジェクト」についてお話を聞かせてください。班長の田島さん、説明をお願いできますか。
はい。地元の花農家さんと企業・行政、そして岩見沢農業高校生活科学科が一体となって進めているプロジェクトで、花の魅力を発信し、ご家庭や企業の中に花をもっと飾ろうという働きかけを行っています。
みなさんは、どのような取り組みを行ったのですか。
授業の一環として校内の畑で花を育て、その花々をみんなで丁寧にラッピングして、花束を作りました。商品となるこれらの花束は、気軽に購入できるように地元のコンビニエンスストアチェーンのセコマさんに置いていただきました(写真上)。また、校内のアンテナショップ「岩農ショップ」にも私たちが育てた花を飾りました(写真下)。こうした活動に対して、広報・流通では空知振興局や空知教育局、いわみざわ農業協同組合、研究協力や技術支援では農業改良普及センター、花・野菜技術センターのみなさんが協力してくださいました。
地域をあげての大きなプロジェクトですね。スタートのきっかけはなんだったのですか?
コロナ禍で花の需要が低下し、花農家さんは深刻な状況になりました。岩見沢市がある空知(そらち)地区は、道内屈指の規模を誇る切り花の産地です。それだけに地元の花農家さんへの影響は大きく、みんなでどうにか乗り越えていこうと、昨年度にこの活動が始まりました。
花をみると、気持ちが癒されますよね。花が身近にあれば、コロナ禍での不安などがいくらかはやわらぐでしょうし、花の新たな魅力の発見もあるでしょう。そうした経験を増やしていけたら花の消費拡大につながり、地元の花農家さんの応援にもなります。
みなさんが、このプロジェクトで特に力を入れたことを教えてもらえますか。
日々の管理の中で、わき芽取りや畑の除草などを丁寧に行い、すこしでも品質の良い草花を生産しようと頑張りました。
私は、昨年までは苗を購入して育てていたトルコギキョウを、種から育てることに挑戦しました。顧問の松田先生から、トルコギキョウの育苗は他の花より難しいと聞いていましたので、時間と労力をかけ、しっかり咲かせることができました。
花生産では、日々の管理が重要であることを改めて感じました。アルストロメリアの栽培では、球根に勢いがないときなどは、細い花を摘み取るようにしているのですが、ある時、授業の管理実習で必要以上に花や茎を取り除いてしまい、回復するまでに3カ月以上かかりました。日々のひとつひとつの仕事の大切さを改めて痛感しました。
私は、日頃からお花屋さんの店頭をチェックして、飾り方を研究しました。学校では、生徒玄関などに定期的に花を飾っていて、花器はジュースのびんや家庭から出るお酒のびんを代用しています。最近のびんは、デザインや形がおしゃれなものが多いので、一輪挿しに使ってもサマになります(笑)。下の写真は、装飾研究のひとコマです。
このプロジェクトに参加することで、発見はありましたか。
花の流通について、知ることができました。また、多くのお客様に購入していただくには、何が必要なのかを考えるようにもなりました。学校の授業で栽培している花を販売して、消費者のみなさんへ届けることができるこの活動は、貴重だと思います。下の写真は、生活科学科の全学年の生徒で切り花をラッピングしている様子です。みんな、真剣に取り組んでいました。
改めて、みなさんにとって「花」はどのような存在かを聞かせてください。
癒しです。落ち込んだときなどに花を見ると癒されます。特に好きな花はトルコギキョウです。
彩りです。生活の中に花は欠かせないもので、私の家では花を定期的に飾っています。
先生のような存在です。家で育てている花に元気がないときは、原因をいろいろと調べ、その中で多くのことを学んでいます。
最後に、みなさんからメッセージをお願いします。
一人でも多くの方に、私たちが暮らす空知の花を購入していただき、癒しや彩りなど、花の持つ魅力にふれてほしいです。
今日はありがとうございました。「花あるある」なシーンが、全国に広がることを願っています。