こんにちは。皆さんは、農林水産省の「日仏農業教育連携フランス訪問プロジェクト」のメンバーに選ばれ、2023年2月7日から11日まで、フランス第二の都市・リヨンを訪ねてきたそうですね。主なプログラムを教えてもらえますか。
現地の農業高校訪問やボジョレー地区のワイナリー・農場見学が主で、リヨン国際美食館での日本食の普及イベント、食育セミナーにも参加しました。
フランスの農業高校は、日本の農業高校より学ぶ分野が多く、規模も大きかったです。また、高校の菜種畑の周りに鉄製のフェンスを建てるのではなく、木を植えて垣根を作っているところに、フランスの農業が自然との調和を目指していることを感じました。
農業高校でも環境に関する考察があり、フランスは環境問題にすごく敏感な国だと実感しました。また、あちこちで「有機栽培」と書かれた商品を見かけましたし、加工食品や肉にも有機認証があることを知り、北海道そして日本ももっと環境について向き合っていくべきだと感じました。
学びでは「なぜ、そのような育て方をするのか」といった部分をとても重視しており、たとえば牛の飼育では、牛にストレスがかからないようにと鎖でつなぐことをせず、人がいなくても子牛がミルクを飲めるように工夫しているなど、勉強になりました。
ワイナリーでは、ワインに関するたくさんの知識を様々な体験コーナーなどで学ばせていただきました。
私は、ワインの原料となるブドウの味や香り、酸味の違いによってできあがるワインがまったく異なるという説明を受け、驚きました。また、ソーセージやハム、パテなどを作る工房では、肉加工の様子も見せてもらえました。試食はとてもおいしかったです!
「日本食の普及イベント」も勉強になりました。和食を知らない子どもたちや、給食をつくる栄養士さんのためにボランティアで授業を行っている『和食給食応援団』の事務局長の講演を聞き、私自身、今まで知らなかった和食のことをたくさん学べました。
フランスの給食は、国によって指針が示されていて、一つの献立の中に有機食品を20%以上使用しないといけない日もあることなどの説明を受けました。また、フランスのスーパーでは、さまざまな食品に有機食品マークが付いていて、有機食品コーナーも設置されていましたし、フランスの農業高校でも食用のハーブを有機栽培していました。フランスの食事は「有機野菜、有機食品を意識的に取り入れている」こと、和食は「自然を尊重していること」、「理想的な栄養バランスがとれていること」というように、それぞれの良さがよくわかりました。
滞在中は、ホームステイをしていたそうですが、楽しく過ごせましたか。
はい。ホストファミリーの皆さんにはとても良くしていただきました。また、日本のことが好きという気持ちが伝わってきてとてもうれしかったです。言葉の壁があっても、伝えたいことは伝えられることもわかりました。
私は日本の文化を好きになってくれた同年代のフランス人と友達になれました。それが本当にうれしくて、帰国後も連絡を取り合っています。この経験を機に、海外でも通用する人間になりたいという気持ちが強くなり、この4月に3年生になったら、町の姉妹都市であるアメリカ・ケンタッキー州のレキシントン市への短期留学を目指しています。
私も今回一緒にフランスを訪問した熊本、兵庫、高知の農業高校生、フランスで交流した高校生とも、生涯関わり続けていきたいと思っています。自らの視野が本当に広がったいい経験でした。大学進学後、日本の競馬に関わる仕事をしたいと考えていますが、今回の経験から海外でも働きたいと思うようになりました。
私と米澤さんはこの春高校を卒業するのですが、農業のことはもちろん、人の温かさや食文化など、今回の研修で学んだことを今後に生かしていきたいですよね。この3年間、いろいろなことがありましたが、私は自分自身が成長できてすごく良い高校生活を過ごせました。この高校に進学して良かったです。
私は一流の農業従事者になることを目指して、この高校に進学しました。フランス訪問でその気持ちがさらに強くなり、農業法人を設立して世界で活躍することが新たな夢になりました。
最後に、今回引率された千代先生から皆さんに応援メッセージをお願いします。
高校生のうちに実際に海外の農業や文化について学習できたことは、今後の人生の貴重な財産となります。これからもフランス訪問プロジェクトで学んだチャレンジ精神を忘れずにさまざまなことに挑戦し、世界で活躍できる人になってほしいです。
お話を聞いているだけでワクワクしました。かけがえのない経験をこれからに生かしてください。ありがとうございました。