Vol.33
拓殖大学
北海道短期大学
齊藤 翼さん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

拓殖大学北海道短期大学

拓殖大学北海道短期大学 齊藤 翼さん

桂太郎公爵が1900年に創立した拓殖大学。その開拓者精神を受け継ぎ、1966年「すべての学生に感動と成長の体験を」という思いを教育の原点に定めて深川市に開学。農学ビジネス学科と保育学科に計5コースを設け、実践的な知識や技術と、豊かな人間性を兼ね備えた人材を育成しています。環境農学コースでは、稲作、畑作、野菜、花の栽培実習を中心に、たしかな実践力を身につけます。

拓殖大学北海道短期大学
074-8585 深川市メム4558
https://www.takushoku-hc.ac.jp/
TEL:0164-23-4111

  • 齊藤さん

    齊藤さん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 はじめまして。齊藤さんは農学ビジネス学科環境農学コース2年生で、ご出身は十勝地方の本別町だそうですね。ご実家は農業を営んでいるのですか。

齊藤さん 両親と兄とで畑作を行っていて、私も農業を継ぐつもりです。高校が普通科だったため、大学では農業の基礎を学ぼうと調べたところ、拓殖大学北海道短大では実家が生産している畑作4品(小麦、てん菜、ばれいしょ、豆類)はもちろん、水稲や野菜の生産の知識、技術も得られることを知り、将来、多角経営を考えている私にとって絶好の学びの場だと思い、進学しました。

GREEN編集部 この2年間で、どのような発見やご自身の変化がありましたか。

齊藤さん 実習授業を通して、作物について学び、手間暇をかけながら育てることの大変さを実感しました。また、何か問題があっても理由は一つではなくさまざまな条件下で起きていること、それを頭に入れながら育てなければいけないということの難しさも知りました。短大の圃場以外で作物を目にした際、これまでは作物だけを見ていたのですが、最近は葉や茎なども見て成長具合や圃場との違いをみつけようとする目が養われました。

GREEN編集部 ゼミではどのような分野、テーマを研究しているのですか。

齊藤さん もともと興味があった食品加工のゼミを選び、「廃棄キャベツの加工方法」をテーマに卒論を進めています。実家で栽培している加工用キャベツは受入基準があり、軽いキャベツ、芯に割れがあるキャベツは出荷対象外になってしまいます。それらを別用途として有効活用し、少しでも廃棄となる作物を減らそうと思ったからです。授業や実験などでさまざまな食品の利用法や構成要素などを学び、実際に「作る」工程も経験することで、総合的な知識を得られました。

GREEN編集部 将来は多角経営を考えているというお話がありましたが、6次産業化も見据えているのですか。

齊藤さん はい。レストランなどの飲食店や加工食品の販売を通して、自分で育てた作物を自分の手で調理・加工して提供したいです。また、廃棄野菜を商品化して多くの方に提供し、農家の収益増加に貢献したいです。まだ日本で浸透していない珍しい海外料理の提供にも意欲を持ってトライするつもりです。それらの取り組みが、私の好きな地元・本別町の良さを伝え、知名度を高め、地域貢献にもつながればと考えています。

GREEN編集部 夢がふくらみますね!ところで、齊藤さんは総ゼミ長としても活動されているそうですね。

齊藤さん キャンパス内で開催する「収穫祭」で来場者にふるまうカレーづくりを指揮したり、「農場公開デー」では全体の統括や挨拶など、各種イベントで学生の代表として仕事を任されることが多かったです。また、短大では、毎年「農業セミナー」を開催していて、2022年12月7日には「農業・生活と野生動物」をテーマに4名の有識者の方々が講演してくださり、ここでは、生産物の試食の準備や紹介を行いました。また、2023年1月下旬には学生が実施・運営する「ゼミ成果発表会」があり、その全体の取り仕切りと挨拶が総ゼミ長としての最後の仕事になりそうです。

GREEN編集部 短大で出会った仲間たちへは、いま、どのような思いを持っていますか。

齊藤さん 高校までは地元の人たちとの交流がメインでしたが、短大では、これまで出会ったことのないさまざまな地域出身の人と関わることができました。全国に広がる友人を得られたことはかけがえのない財産です。また、同じコースの学生は全員が農業を学びに来ていて、志も高く、私と同じ普通科高校出身の人達が真剣に取り組む姿勢を見て、いつも刺激を受けていました。

GREEN編集部 卒業後の予定を教えてください。

齊藤さん この2年間で農業の基礎・基本を学んだので、次のステップとして大学に編入し、食品衛生や加工について学びたいです。下の顕微鏡を見ている写真は基礎実験の授業で大豆などからタンパク質を抽出し、観察しているところなのですが、この授業で興味を持ったタンパク質に関する学びも深めたいと思っています。

GREEN編集部 さまざまな学びと経験を経たいま、農業の魅力をどう感じていますか。

齊藤さん 自然を相手にする農業はとにかくストレスフリーであるところが、私にとってはなによりの魅力です。農業には、一から作物を育てる・作り上げることの面白さ、大自然の中でのびのびと仕事ができる素晴らしさがあります。特に子どもたちには、そうした良さを伝えたいですね。

GREEN編集部 最後に、齊藤さんの抱負を聞かせてください。

齊藤さん これからもたくさんの方々に、安心安全な農産物をお届けできるよう、北海道という大きな看板を背負って、生産者として頑張っていきます。

GREEN編集部 ありがとうございました。北海道農産物ファンのためにも、頑張ってください!