Vol.13
北海道岩見沢農業高等学校
大塚 悠生さん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

北海道岩見沢農業高等学校

北海道岩見沢農業高等学校 大塚 悠生さん

文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」に続き、今年度は「専門高校フューチャープロジェクト(3カ年)」の指定を受けた実力校。北海道札幌工業高等学校と連携した施設園芸における周年栽培の研究、企業等の支援のもとでのICTやスマート農業の先進的な学習など、実践的な学びを深めています。

北海道岩見沢農業高等学校
068-0818 岩見沢市並木町1番地5
http://www.iwamizawanougyou.hokkaido-c.ed.jp/
TEL:0126-22-0130

  • 大塚さん

    大塚さん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 大塚さんは、2019年10月に開催された「日本学校農業クラブ全国大会」の意見発表会で最優秀賞を受賞したそうですね。すごいですね!

大塚さん 「父を超える農業経営者に~プロジェクト学習から生まれた私の夢」と題した発表を行いました。授業で、晩秋期もミニトマトの収量増加を期待できる栽培法を知り、両親が営む農園で自主研究を進めた経過を話し、その経験を通して一層深まった「父を超えたい」という思いを伝えました。

GREEN編集部 お父さんはどのような方ですか。

大塚さん 札幌から車で約1時間のところにある新篠津村で「大塚ファーム」を経営し、母や頼りになるスタッフと一緒に有機野菜を作っています。メインは、夏はミニトマトの生産、冬はサツマイモの干し芋づくりです。僕が小学6年生の時、父が「日本農業大賞」を受賞し、その表彰式でスピーチをしている姿を間近で見て、「父のような農業者になりたい」と憧れを感じるようになり、農業を志すことを決めました。

GREEN編集部 自宅から通えない距離にある岩見沢農業高等学校を選んだ理由は?

大塚さん 僕は、将来、農産物を輸出したい!世界進出したい!んです。岩見沢農業高校は早くから、適正な農業を実践していることを証明する国際基準「GLOBALG.A.P」の認証取得の学習に取り組んでいて、そこに一番魅力を感じました。現在僕は、学校での認証活動の全体リーダーを務めています。実家でも今年度からGLOBALG.A.Pを取得することが決まりましたので、サポート役としてミーティングなどに参加しています。

GREEN編集部 学校での学びを、実家で試したり生かしたり。良い循環ができていますね。

大塚さん 父の理解と応援のおかげです。昨年、ミニトマトの試験栽培をやりたいと相談した時、父は「どうなるのか興味がある。やってみろ!」と農園の一角を使わせてくれました。3回行った作付けは思うような結果が出ませんでしたが、父は「失敗を恐れず、やってみろ!」と応援し続けてくれました。今年は父のアドバイスを踏まえ、異なる栽培法を研究しているところです。

GREEN編集部 師でもあるお父さんが大塚さんに寄せる期待も大きいのでは?

大塚さん 僕には弟が二人いて、農園のマークには三兄弟がデザインされています。僕ら三人に期待してくれているんだなと感じています。

GREEN編集部 実家のもう一つの主要作物・サツマイモの研究も行っているんですか?

大塚さん 今年から、セル苗移植による試験栽培を学校と実家で進めています。実家ではサツマイモの収穫量が売上に大きくかかわるので、少しでも収量を安定させたく、道内で実践事例のあった、この栽培の研究を始めました。

GREEN編集部 来春には高校卒業ですが、その後の進路は決めていますか?

大塚さん 種苗メーカーが運営している本州の専門学校で学び、その後日本農業経営大学校に進みたいと考えています。いずれはヨーロッパに留学して最先端の農業技術や、GLOBALG.A.P先進地に息づく知識をたくさん身に着けたいです。

GREEN編集部 一回りも二回りも大きくなって北海道に帰ってくるイメージですね!

大塚さん 昨年の冬、本州の農家さんにインターンシップに行きました。そこで見た景色から、北海道農業のスケールの大きさを改めて実感しました。北海道農業が世界に目を向け、積極的に最先端技術を取り入れることによって、日本全体の農業界を盛り上げたい、そのきっかけをつくりたいです。

GREEN編集部 頼もしい!最後に、大塚さんはどんな自分になった時に、「父を超えた」と感じると思いますか?

大塚さん 世界進出を含め、多くの新事業にトライして、父の夢でもある農業者にとっての名誉「農林水産祭天皇杯」をいただくことができたら、父を超えたと言っても良いのではないかな?と思っています。

GREEN編集部 大塚さんのお話から元気をたくさんもらいました。ありがとうございました。