北海道標茶
高等学校
野呂 栄梨佳
さん

わたし × 農業

私が農業に恋した理由
北海道の高校、専門学校、短大、
大学では、たくさんの学生さんが
農業を学んでいます。
農業のどんなところが魅力?
学んでみて知った醍醐味は?
好きだけど大変と感じることは?
青春ど真ん中の日々での実感、
将来の夢などを聞いていきます。

北海道標茶高等学校

北海道標茶高等学校 野呂 栄梨佳さん

1946年、標茶農業高校として創立。2000年に総合学科高校としてスタートし、3系列で地域・異校種連携型キャリア教育を実施しています。「いのち」を学校のシンボルワードに、「文化理解系列」ではいのちの内側=心を、「地域環境系列」ではいのちの外側=環境を、「酪農・食品系列」ではいのちそのものの機能と連続性を学びます。

北海道標茶高等学校
088-2313 標茶町常盤10丁目1
http://www.shibecha-h.ed.jp/
TEL:0154-85-2001

  • 野呂さん

    野呂さん

  • GREEN編集室

    GREEN編集室

GREEN編集部 2020年2月、酪農教育のために乳用牛を飼育する標茶高校の学校農場が、全国の高校としては初めて公益社団法人中央畜産会の「農場HACCP(ハサップ)」認証を取得しました。野呂さんは、農業関係団体でつくる「町酪農HACCP推進会議」のメンバーだったそうですね。

野呂さん はい。畜産担当の塚田先生に誘われて、2019年秋から会議に参加しました。私は「酪農・食品系列」を専攻し、畜産ゼミに所属していたのですが、当時は「農場HACCPってなんだろう?」というくらい、知識がありませんでした。

GREEN編集部 そもそものお話ですが、なぜ、標茶高校は「農場HACCP」に注目したのでしょう。

野呂さん 先生から聞いたお話ですが…。2018年に校内でサルモネラ菌による伝染病の疑いが発生したんですね。2回の全頭検査や環境検査の結果はすべて陰性で、標茶高校が発生源ではないことが明らかになったのですが、万一の時に対応できるマニュアルや、履歴などを確認できる仕組みが必要だということで、取り組みがスタートしたそうです。

GREEN編集部 会議には、町内外の農業・酪農の関係者が参加されていたようですね。

野呂さん さまざまな専門家の方がいらっしゃいました。会議自体は2019年5月に正式に発足していて、私は遅れて参加しました。初めて出席した際、獣医の久保田先生、茅先先生に話しかけていただき、安心したことを覚えています。

GREEN編集部 お二人には、その後もいろいろとお世話になったのですか。

野呂さん はい。お二人は主に乳牛の臨床をされていて、久保田先生は乳質関係、茅先先生は子牛の育成が専門です。授業で習った「ケトーシス症」という病気や「第四胃変異」に関する疑問、課題研究で取り組んでいる牛の皮膚病、消毒のことなどを質問しました。難しい言葉ではなく、高校生の私でもわかるように教えていただきました。

GREEN編集部 大人に混じって、「農場HACCP」認証に取り組んだわけですが、野呂さんはどのような仕事を任されたのですか。

野呂さん マニュアルの全ページに目を通し、誤字・脱字をチェックし、読みやすいように各章に表紙を付けました。広報活動も頑張りました! 私は農業クラブの会長も務めていたので、「農業クラブ通信」を通して全校生徒に向けて「農場HACCP」や会議の情報を発信し、クラスの友達に会議の内容を話し、友達から親に、親から地域に広がるような活動を行いました。

GREEN編集部 今回の経験によって、酪農に対する考え方は変わりましたか。

野呂さん 参加するまでは、「酪農はつらい!くさい!」というマイナスな考えばかりを持っていました。でも、「農場HACCP」に取り組んだことで、「ひとつひとつの作業に意味がある」ことがわかり、自分たちが食べるものを安全に作るためには、作り手が危害を防がなければならないと考えるようになりました。酪農に「おもしろい」「楽しい」という魅力を発見できたのも良かったです。

GREEN編集部 野呂さんはこの春には卒業ですね。標茶高校の農場を受け継ぐ後輩に、アドバイスはありますか?

野呂さん 最初は、何を言っているのかわからなくなるくらい、マニアックな話を獣医さんたちと話すことになります。専門用語ばかりです。でも、わからないことは、質問すれば必ず詳しく答えてくれますから心配はいりません。一方で、マニュアル作成では、「えっ!そんな当たり前のことまで!?」と驚くほど、細かな点まで定めていかなければなりませんでした。「農場HACCP」を知ることによって、酪農の知識を増やすこともできますので、後輩のみんなにはこれからも頑張ってね!と伝えたいです。

GREEN編集部 卒業後はどのような進路を希望していますか。

野呂さん 酪農学園大学に進学し、農業教員を目指します。私が高校で農業の魅力を知ったように、これからの日本を作り上げていく若い人に、農業の知識や技術を伝えられたらと。農業は大変なことが多いですが、自然にふれあいながら、多くのことを感じ取れる仕事です。北海道農業は特に、AIをうまく活用していくことで、今まで以上にスマートな農業になるのではないかと期待もしています。

GREEN編集部 最後に、高校生活の一番の思い出を教えてください。

野呂さん 陸上部の部活も楽しかったですね。下の写真は、メンバーと顧問の先生との集合写真です。あと、友達とお弁当の中に入っている卵焼きを取り合ったり、畜産の実習後にシャンプーをして、髪の毛が濡れたまま次の授業を受けたり。友達と一緒に過ごした日常がとても楽しかったことが、一番の思い出です。

GREEN編集部 充実した3年間だったようですね。この春からは次の目標に向かって、頑張ってください。今日はありがとうございました。