「品種が違うと、育て方も変わります」


- 『ゆめちから』生産者 安田 尚弘さん
1980年生まれ。北海道立農業大学校稲作経営専攻コース卒業後、農家の五代目として就農。
小麦のほか、米、馬鈴しょ、てん菜、ブロッコリー、小豆を栽培。
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旭川空港の周囲に広がる、琥珀色の見事な麦畑。豊かに実った穂先を揺らしているのは、超強力粉となる硬質小麦『ゆめちから』です。美瑛町との境界に近いJA東神楽、西神楽地区では、これまで生産してきた硬質小麦『キタノカオリ』に代わり、今年から『ゆめちから』の栽培に力を入れています。
「僕は『ゆめちから』作りの1年生なので、ほかの産地の実績や栽培方法を参考に自分の畑に合う作り方を日々考えながら育てています」そう話すのは、小麦栽培歴20年の安田尚弘さん。安田さんは、2019年度「北海道麦作共励会」での最優秀賞に続き、「全国麦作共励会」でも全国農業協同組合連合会会長賞に輝いた実力の持ち主。
「同じ小麦でも、品種が違うと特性もまったく違ってきます。これまでの品種と同じように育てても、満足のいく小麦は作れない。感覚的には新しい作物を一から育てている感じです」と説明します。
弧を描くように、麦の穂がこうべを垂れたら収穫の合図なのだそう。「あと数日後には収穫できそうです」と安田さん(取材:2020年7月下旬)
「品種の特性はあっても、天候や畑の状態は日々変わりますから、その時何を優先させるかで作物の出来は決まってきます」と安田さん。良質な小麦を作るポイントは「いろんな考え方がありますが、茎数の確保と肥料をなるべく切らさないことや適期に作業できるように事前準備をすることを心がけて栽培しています。あとは仲間や先輩たちと情報交換したり、いいと思うことは自分の畑で実践するようにしています」と話します。
最後に、コロナ禍で感じていることを聞きました。「作るからには品質のいいものをなるべく多く収穫したいという思いは変わりません。皆さんには不安が続く今だからこそ、品質の面でも安心できる国産にぜひ目を向けていただきたいです。多くの人に食べていただけたらうれしいですし、作りがいもあります」
収穫直前の『ゆめちから』の穂の様子
1980年生まれ。北海道立農業大学校稲作経営専攻コース卒業後、農家の五代目として就農。
小麦のほか、米、馬鈴しょ、てん菜、ブロッコリー、小豆を栽培。