横山製粉株式会社
「品種×品種で製品は数百に」
道産小麦の価値を高める技術
「北海道の製粉会社で良かったです」
札幌市内にある「横山製粉株式会社」の専務取締役・山田伸司さんは、実感を込めてこう話します。同社が取り扱う国産小麦はすべて北海道産です。
-
製粉前の『きたほなみ』の粒。
「主要品種は、外国産や府県産よりも軒並み高値で取引されています。それだけ北海道産は、香りや食感など品質が評価されているということ。中でも『春よ恋』はパン用のニーズが根強くあります。『きたほなみ』は病害に強く製粉性もいいので、これ以上の小麦はないんじゃないかと思うくらい優秀な品種だと感じています」
-
小麦から胚乳を取り出し、粉化するロール機。
小麦粉も産地で選んで
「小麦は、同じ品種でも産地ごとにキャラクターがあります」と説明するのは、同社業務部次長・高橋恒さん。
「年によって傾向は変わりますが、十勝やオホーツク、札幌近郊など地域性がタンパク質の数値にはっきりと現われます」
小麦粉は薄力、中力、強力の3つに分類するのが一般的です。しかし業務用がほぼ10割という同社ではさらに細かく分類し、用途別・等級別に、オーダーメードで数百種類の小麦粉を販売しています。その中の一つが、『きたほなみ』を100%使用し、菓子用に開発した「ゆきんこ」シリーズ。粉の白さが特徴で、北海道屈指の菓子メーカーの『もりもと』をはじめ、道内外で広く使われています。
-
工場に隣接する大きな原料サイロ。保管量は合計で最大630トン
「菓子職人がこだわる白さや食感、商品への信頼を支える安定した品質など、これらを実現するのが我々の製粉技術です」と高橋さん。山田さんは、「小麦粉は皆さんにとって身近な製品です。だからこそ、一人でも多くの方に産地を意識して選んでいただけたら。一緒に道産小麦を盛り上げましょう」と締めくくってくれました。
-
同社オリジナル商品。右のホットケーキミックスは小麦のほか砂糖も道産。パスタは、ゆめちからときたほなみを配合。「道産小麦で作った自慢の商品です」と山田さん
- 横山製粉株式会社
専務取締役 山田 伸司さん(左)
業務部次長 高橋 恒さん(右)