北海道米に磨きをかけて、食卓へ
ホクレンパールライス工場

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北海道米に磨きをかけて、食卓へ

全国でもトップクラスの質の高さ、味、収穫量を誇る、北海道米。うるち米だけでも、「ゆめぴりか」、「ななつぼし」、「ふっくりんこ」、「えみまる(直播米)」など品種が豊富で、さらに精米/無洗米に加え、品種によっては調製玄米や金芽米(※)の取り揃えも。ご家庭や飲食店などのお好みで選べる、充実したラインナップが自慢です。今回は、丹精込めて生産された高品質なお米をさらに磨き上げ、全道・全国へ送り出しているホクレンパールライス工場(以下、パールライス工場)を訪ねました。
※きんめまい/新しい精米法で、うまみ層と胚芽の栄養分「金芽」を残したお米。北海道米では、「金芽米ななつぼし」、「金芽米ふっくりんこ」があります
 
※この取材は10月下旬に行いました。

主要産地から年間約6万5千tを受け入れ

2002年、パールライス工場は最新鋭の精米設備を完備して、札幌市の隣に位置する石狩市で稼働を開始。北海道米主要産地のJAを中心に年間約6万5千tの玄米を受け入れ、店頭用、業務用あわせて年間約1千万袋以上の製品を製造・出荷しています。高い技術力もさることながら、産地や品種はもちろん、精米日から納品日までの日数の指定、都度異なる発注数量などへの臨機応変な対応が評価され、取引先からも頼りにされている工場です。

おいしさへのこだわりは、衛生管理にも

「私たちは、製造工程すべてにおいしさへのこだわりをもっています」と口火を切った武田将典業務課長(写真右)。まず、衛生管理に関する説明がありました。「『ISO9001』、『精米HACCP』の認証を取得しているこの工場は、衛生レベルによって各作業区を4分類し、特定区への立ち入りにはエアシャワーの利用などを義務付けています」。小林将生工場長(写真左)は、詳しい例として「玄米が商品になるまでには数々の加工工程があります。ここでは、搬送する機械ごとに集塵機を設置し、きれいな空気の中でお米を通過させています」と付け加えます。

品質管理課が、独自の基準で検査

各地から日々大量に届く玄米は、生産履歴データとともにロット単位で管理されます。「ここに届く玄米は一定の検査に合格したものだけですが、受け入れ時は成熟度や損傷などを調べ、加工時は精米と製品の2地点からサンプルを取り出し、品質管理担当者が色や形を見極めるなど、工場の品質管理課で独自の基準に基づき、検査を行っています」と武田課長。受け入れた玄米のサンプルはすべて2カ月間保管し、分析データを蓄積しています。

産地から届いた玄米を精選

産地から届いた玄米は、どのような工程を経てお米になるのでしょうか。「各地からトラックで工場へ運び込まれてきた玄米は荷受ホッパーに投入されます。この荷受ホッパーは床面立ち上げ式で、トラックなどが持ち込む小石や土砂の混入を防ぎます」と小林工場長。次に未熟粒や細かな砂、糸屑、金属や砂鉄などを選別機にて除去し、玄米は銘柄別にタンクに保管されます。保管タンクは4サイズあり、その総数は88本。武田課長は、「北海道米は銘柄や、産地指定などの顧客ニーズが多いため、これだけの数が必要になるんです」と補足します。

優しく、丁寧に、糠を取り除く

次は、玄米の糠や胚芽を取り除く精米工程です。この工程は3段階あり、①玄米の表面をヤスリ状の石にこすりつけて糠を取りやすくし、②お米をこすり合わせて糠を取り除き、③お米の表面に残った糠を優しく取り去ります。ちなみに、この工程で出る糠はいろいろなものに加工、利用されていて、油切れが良く、カラッと揚がる「北海道産こめ油」もその一つです。

精米精選工程で更に選別

つやつやになったお米は、精米精選工程でさらに選別をかけます。割れたお米や、着色しているお米を取り除いたら、オートサンプラーによりサンプルを抽出。その後、衛生面にも配慮したステンレス製の円形タンクに保管します。包装する前には最後の選別として再度、取りきれなかった異物(糠玉、砕米等)を除去し、包装します。

精米袋に履歴管理のロット番号を印字

精米袋には、履歴管理のためのロット番号が印字され、無孔袋対応の包装機により袋詰めされます。そして金属検出機と重さを測るチェッカーによる最終チェックを経て、パレットへ自動的に積み上げられます。

安全、安心第一に、一貫体制で

パレットに積まれた製品は、「ロボトレインX」と呼ばれる機械によって製品自動倉庫へ。ここに保管された製品は、受注センターからのデータに基づくコンピュータの出荷指示、配車指示に従ってトラックへ積み込まれ、工場を出発します。「安全、安心をお約束するために、製造ラインや受発注に関わる情報はFA(ファクトリーオートメーション)室にすべて集約しています。ここでは、23台設置している無人カメラの映像を通して工場内の監視も行っています」と、武田課長。玄米の荷受から製品の配送まで一貫体制で取り組むパールライス工場では、おいしい北海道米を届けるために、約90名の従業員が一丸となって力を注いでいます。

北海道米を楽しく学べる、工場見学も

「北海道米には、さまざまな銘柄があります。いろいろ食べ比べて、お口に合うベストをみつけてほしいですね」と、小林工場長。「北海道米を楽しみながら学び、お米やごはんに親しみを持ってもらえるように、工場見学も随時受け付けています。機会を作って、ぜひご来場ください」と、武田課長。田んぼから食卓までの旅、北海道米のさまざまな物語、ごはんからはじまる団らん。パールライス工場は、お米を真ん中にいろいろな発見と出会える場でもありました。
 
今年も、北海道米はおいしくできました。
北海道の景色や生産者の笑顔を思い浮かべながら、ぜひ、召し上がってください。